『完全改訂版 斜め屋敷の犯罪』そのトリックは一見の価値あり -読書感想
ジャンル:ミステリー
「バカミス」というジャンルがあるらしい
「バカなミステリー」の略ではなく、読者が
「そんなバカな!となるミステリー」との事
探偵 御手洗潔シリーズの第2作目となる本作は、そんなバカミスとして紹介されるのをよく目にし
バカミスの意味を、前者の方だと思っていた僕は初めのうちはネタ小説なのかな?と思っていた。
しかし、その正しい意味を、言葉上だけでなく自ら体感する事で知りましたね…。
感想
パーティへ参加するために、全体が斜めに傾いた奇怪な構造の屋敷へ集まる登場人物達。そして、発生する殺人事件
これだけ見れば、おかしな屋敷以外はお馴染みのクローズドサークルもの、屋敷ものの範疇である
序盤から、これからの殺人を予感させるポイントは幾つかありワクワクするが、本格的に事件が起き
後半に、御手洗潔が現れ引っ掻き回し始めるまでがちょっと退屈
バカミスの所以に触れる
本作の要であるトリックの種明かし
僕はその部分を月曜の朝の通勤中に読んでいたのだけど
(何故そんな大事な部分を、1週間で最も気分が死んでいる時間に読んでいたのか)
眠気が半分入り混じった状態から一気に目が覚めて二度見してしまった。
その内容を前にし、本作を読む際にこれだけは言うまいと決めていた、「そんなバカな」という言葉
簡単に飛び出してしまいましたね…
おわりに
緻密なトリックが明かされ、それまでの疑問が氷解する過程というのは、ミステリ小説の終盤において大きな楽しみであると思う
本作のタネ明かしはそういった緻密さを被った、大胆さ奇抜さで大きなインパクトがあった。
「こんなのありかよ」と思わず言ってしまう。しかし、その豪快が気持ち良く、それでいて作品は破綻していない。すごい
バカミスというものの面白さに少し触れられた気がする
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