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『殺しの双曲線』2つの事件が重なる真実-読書感想

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ジャンル:ミステリー

 

西村京太郎と聞いて、土曜サスペンスの電車が走るCMが思い浮かぶのは僕だけでないと思いたい。

そんな氏が描く、土曜サスペンスのとは違ったミステリ小説ってどんなものなんだろう?という興味が出発点

 

感想

本作の舞台は、東京と東北の雪山の2つ。

片方は警察が、もう片方は宿泊施設に招待された客達。その、異なる立場や状況で起こる事件が交互に展開されていく。

 

2つの事件

東京での、双子による強盗事件

雪山での、連続殺人事件

 

この2つの趣が異なる事件がどう結びついていくのか?そんな悩ましさを抱えながらも、読み進めていくんだけれど

 

雪山ではシリアス気味の展開で殺人が繰り広げられるのに、打って変わって東京の強盗事件は

双子が使ってくるトリックのおかげで翻弄される警察が面白くもある。そんな対比から事件も楽しめる上

その構成がだんだん癖になってくる、ズルい仕様

 

トリックは双子

※ネタバレではありません

本作の冒頭で筆者から提示される。いわば、挑戦状のようなもの

 

今回も果敢に挑んでみるものの、確かに東京の事件はものの見事に双子による犯行だけど、ならば雪山の事件は???

とよく分かっていないうちに積み上がる死体。今回もダメでしたね…

 

この下りのおかげで、最後にスッと解答が入ってくるのが、また見事

 

おわりに

文庫本としては、普通~それなりの厚さであるけど、とても読みやすかった。

 

本作は、西村京太郎氏の作品では割と初期のものであるとの事。しかし、今読んでも十分に面白く、2つ事件が1つに纏まっていく

終盤の展開は、読みながらずっと抱いていた疑問を解消するに十分

 

しかし、個人的には良いと思ったけど、終わり方にスッキリしないものを感じる人もいるかもしれない

 

あと犯人が好んで使うマーク、被害者は勿論流石にその意味を咄嗟に気付く人はいないと思うなぁ(笑)

 

 

新装版 殺しの双曲線 (講談社文庫)

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