騙されてたまるか 調査報道の裏側 -読書感想
内容紹介とレビュー
ジャンル:新書
これまでの活動の内容であったり
仕事に対する信念や姿勢が纏められている。
良かった点
- プロの事件記者の活動を垣間見る事が出来る
- 収録されている事件が興味深い
- テーマの割に読み易い内容
気になった点
感想
[調査報道というもう一つの視点]
過去に解決・報道済みであったり
時間の経った事件を、独自に取材していく
本書はそういった、調査報道という
仕事について、かなり大枠な部分であろうが
知る事が出来るのが、一番の見所
見られるのは、とても面白かった。
地道に取材し、自分で考え、そこから指針を
打ち出し、また地道に取材する
とても、骨の折れる作業の繰り返しである。
しかし、まるで小説のように展開していく
事件もあり、その対比がどこか印象深い
[警察がちょっと嫌になる]
これがある意味、本書一番の難点かも(笑)
過去の事件等を独自に再調査するという
性質上、どうしても警察とぶつかる場面が
多く、その殆どがまぁ何とも不誠実
操作の見落としは序の口で
- 再捜査拒否
- 被害者の名誉毀損 など
全てこんな人達ではないと、勿論思いつつ
警察がちょっと嫌いになる
[おわりに]
調査報道という言葉に聞き覚えがなくても
単純に、1人の事件記者の記録として
読むだけでも、十分に面白い
事件についてだけでなく、記者クラブなど
現在の報道機関の在り方についての
問題提起を含む内容まであり、面白かった。
しかし、最後の話は蛇足にも思えた。
戦時中の報道について触れるというテーマは
良かったのだが…
『ロートレック荘事件』認識が歪むその瞬間-読書感想
ジャンル:ミステリー
ミステリ小説を読み出して日が浅い中、初めての館ものを読む。
ミステリー的には王道だしワクワクしてしまうにわか。
感想
すっかり騙されてしまうのはいつもの事として、本作のいざネタばらしを迎えた瞬間の
今読んでいる文章が分からない、そんな感覚が衝撃的だった。どこかで読み間違えをしてしまったかと思った(笑)
[機能しない推理]
読み進めながら一応推理めいたものを試みるが、登場人物が1人、また1人と減っていくのに、犯人が最後まで分からず…
この、普通登場人物が減っていったら候補もつけやすいのに全く分からない感覚
地味にショックな反面、面白いミステリ小説に出会えた予感が堪らない
しかし、終盤の犯人による告白と
ネタばらしには、むしろ清々しいさを覚える
小説という媒体を使った騙しの面白さを
改めて知った気分に。
[感嘆すらしてしまう、トリック]
勿論、犯人は急に現れた訳ではないし、読者が違和感を覚えるポイントもしっかり散りばめられていたと思う。
僕は深く考えずにスルーしてしまったが…
ネタばらしパートも本当に丁寧でそれにより、本作を頭から振り返る事になるのだが、本編214Pという厚さのおかげで
それが苦にならないし、更に話が奥深くなっていく感覚が素敵だった。
心地よく筆者のトリックに乗せられ過ぎて
「それマジで言ってんの。面白いじゃないの…」と心底呟いてしまう
[おわりに]
どちらかと言えば短編に入る本作
それだけに、凝縮されたこのトリックの面白さが嬉しいと同時に凄いと思った。
良かった点
- そのオチとトリック
- さくっと読めるページ数とそれを感じさせない内容
- 劇中に登場するポスターなどの画像が掲載されている
気になった点
- 犯人について、ミステリ小説に慣れた人は気付いてしまうのではないか
- メタ過ぎるネタばらしが気になる人もいそう
怪談狩り 禍々しい家 -読者感想
内容紹介とレビュー
ジャンル:ホラー
実話怪談集の第3弾
筆者が蒐集した家に纏わる怪談が
話掲載されている
また、一時期話題となった
山の牧場に関する後日談も収録
良かった点
- 各話4~8P程の短編集なのでさくさく読める
- 内容のバリエーションが豊富
- 時期的に良い感じのホラー
- 良くも悪くもある安定感
気になった点
- 良くも悪くも、これまで通りの形式
- ご愛嬌的な、さすがに作り話では?と思えるエピソード
- 収録話数の割に全体的にさらっと流れる
感想
昨年の夏頃?に第1弾を手に取って以来
新刊が出る度に、何となく買ってしまう。
さくさく色んな話が読めるところが好き
いかにもな屋敷や事故物件から
一見普通のアパート・マンション、個人宅等
家に纏わる話が中心となっている
形式的には既にお馴染みとなった
蒐集した体験談を淡々と書き連ねるスタイル
家って、生きている間
生活してる時間だけでなく
死の時間も共有する場所だと改めて思う
[怪異について]
何となくおかしな現象から
実体を持って現れる・見えるもの
それに巻き込まれた人々まで、内容は多彩だ
個人的に気になった話は
- 一家心中の家から覗く影
- 怪異の屋敷から失踪した青年
- 明かりを付けていないと出口が無くなってしまう部屋
- 外国人の子供の例に溢れた旧施設
- 前の住人が部屋に遺したビデオテープ
一応、家や土地といった括りはあるのに
これだけ怪異のバリエーションがある事に
改めて驚く
[山の牧場]
本書のもう一つの目玉
新耳袋でその存在が世に出てから
筆者による最新の訪問までが記載されている
この施設については、筆者も言うように
「特におかしくない、普通の施設なのに、話を盛っている」
という指摘があるのも事実
しかし、本作で語る様子は
やっぱり不気味でよく分からない施設だし
この世界にぽっかり空いた穴
そんなイメージを新たに持つ
前巻と今巻の間が結構早かったように
発売ペース的に次巻は秋~冬頃かと予想
2Dark プレイ日記-第2の事件-ゲーム感想
PS4版2Darkのプレイ記録
今回は第2の事件です。
2Darkの概要等は過去記事を
参照して頂ければ
感想
マッドなピエロの館の次は
ファットな令嬢の自社ビルに挑む
ステージが変わるとやっぱり新鮮な気持ちで
楽しめる。嬉しい
[おかしなビル]
清掃員として潜入を始める主人公
モップとバケツを装備しただけで服装は
そのままで採用されるおおらかな社風
2階で絶え間無く巨大ケーキが作られる
3階に存在する道場とガチ過ぎる師弟
4階が普通に殺し屋の筋トレスペース化
といった構造のビルに震える
[NPCの挙動が不安]
最初の事件でも薄々感じていたが
NPCの挙動が何だか、ふわっとし過ぎている
- それ程の警戒レベルでないのに主人公をすぐ殺しにくる
- パターン入ったかの様な行動を取り続ける
等々の行動を見るに、0キルでのクリアは
無理だと悟る
(殺した覚えのないキャラの死体が転がっていた、(恐らくNPCに殺されていた)のを見た時は、久しぶりに、詰みを覚悟した)
[細部までよく出来た資料]
これも先と同様に、最初の事件から感じた事
このゲームは、本編中で出くわす資料が
本当に良く出来ている
それを見て事件の背景を何となく想像したり
事件をより知れた気分になったり
資料集めが只の作業にならないのは嬉しい
[子供が誘拐され過ぎている]
最初の事件は6人くらい助ける
今回の事件は3人くらい助けた
明らかに数がおかしい
一応、黒幕的なものは示唆されつつも
子供が攫われ過ぎている
この街、マジで大丈夫か…
今回、まだ助ける子供がいるメッセージが
表示される中、自宅にGo Homeしたら
その子供は、結局救出出来ずにゲームが
次の章へ移行してしまった。マジか…
今後は、1度ステージを始めたら全員救出を
決意する必要を学んだ
[気になった点]
現時点で新たに気になった点を
- NPCの挙動だけでなく、ゲーム全体的に不安になる瞬間がある
- 主人公の歩く速さ
- プレイヤーに委ねられる、考える要素は中々多い
関連記事
2Dark 第1の事件まで遊んだ第一印象 -ゲーム感想
PS4版2Darkを2時間ほど遊んでみた
ファーストインプレッション的な感想です。
発表日:2017年6月29日
ハード:PS4
ジャンル:ステルスホラーアドベンチャー
2Darkとは
自身も妻を殺され、2人の子供を誘拐された
元刑事が主人公を操作し、街で多発する
児童誘拐事件を解決する
感想
本作はジャンル名が示す通り
ステルスゲームとして中々楽しく遊べる
相手の動きを読む、足音や光源に注意する
といった、基本的なかくれんぼ要素を完備
それに加え、アイテムを使ったギミックや
救出した子供の誘導といった要素もある
その反面、初見殺しのようなトラップなど
トライアンドエラー的な部分が見受けられる
(その分リトライは早め)
[よく死ぬ]
前述したようにトラップの配置がイヤらしい
主人公は暗闇の中、懐中電灯やライター等の
光源頼りに進むのだが、当然見つかる確率も
高くなり、それぞれの光源にも残量がある
それを意識し使用を控えて進むとこのザマだ
最初のゲームオーバーが転落死は笑った
[小粋なセーブアクション]
本作のセーブは、オートセーブでもなく
特定のセーブポイントで行うでもない
アイテム欄の、ライターとタバコを組合わせ
タバコを吸う事によりセーブをする
一見、余分な動作のようにも思えるが
それが良く、気に入ってしまった。
死に覚えゲー的な側面もあるため
小まめなセーブはとても大事なのに
タバコを吸い過ぎると健康への
悪影響の示唆する現実めいた注意書きが怖い
[愉快な住人]
まだ第1の事件を終えたばかりで既に
- 廃園となった遊園地の施設の居住権を主張するおっさん
- 仲間?でナイフ投げの特訓に励む、ナイフ投げ志望だったピザ
- 主人公を見つけると退避を訴えるくせに攻撃を繰り出す、ピザのナイフ投げの的
- 子供とライオンに囲まれたサイコピエロ
などなど
今後が楽しみな奴らがウヨウヨだった
大丈夫かこの街?
普通に怖い現場
[気になった点]
- プレイに支障をきたす程ではないが、決定ボタンが✕ボタンの時と〇ボタンの時が混在している
- CEROZだけあって、それなりにエグい
- 子供の悲鳴がやけに生々しい
- ネズミに翻弄される(よく噛まれる)
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Party Rockets GT ONNMAN LIVE 「~beyond~」 -ライブ感想
6月25日開催
パティロケちゃんワンマン赤坂BLITZ に
参加してしました
思い出と忘備録
[Party Rockets GT]
最初にめちゃめちゃ失礼な事を言うと
スパガの幸愛ちゃんの古巣という印象だった
それが昨年末に初めてステージを見て
今年に入ってから、沢山対バンで
目にする度に、何か心に刺さるものがあった
今回の赤坂BLITZも即決でした(笑)
[パティロケちゃん×生バンド]
パティロケちゃんの曲はロック系?な
バンドサウンド全開な感じなので
今回のライブが生バンドと発表された時は
漠然と、めっちゃ合いそう~と思っていたが
実際は想像以上だった!
生バンドライブは楽器隊を見ているだけでも
楽しいけど、一曲一曲が更に底上げされ
推しジャンしてる場合じゃなかった
(新谷姫加の推しジャンは楽しい)
『イマジンな愛の歌』のリードギターで沈む
[キミと見た空]
今回のライブで一番心に残った時間
元々曲自体が大好きだったんだけれど
生バンド補正込みで「何だこれ」となる…
どストレートに突き刺さる曲を
節目のワンマンで、最高の盛り上がりで見る
それだけで、爽やかに崩れ落ちる事が出来る
そんな経験をする。あんなん反則だよ
[ライブが楽しい]
参加してる以上、当たり前かもしれない
しかし、その当たり前の気持ちを再認識した
パティロケちゃんのライブ楽しいよ!
生バンド補正で勢いを増した曲
めっちゃ楽しそうなメンバー
客が楽しくない訳が無い
個人的に大好きな
『革命センセーション』はしゃいで
(ちゃんとバンドも演奏パートあった)
『Dream on, Dreamers』ラスサビ前の
イェッタイガーから飛びまくったのが楽しくてな…
会場の赤坂BLITZ
[これから、が見たい]
パティロケがこれまで色々あったらしい
というのは小耳に挟んだ事がある
その期間を知らないにわかの僕だけど
こんな素敵なライブを見せて貰った今
これからが見たいなぁと、素直に思う。
最後のMCで見られた、メンバーの団結感
一つまとまって前に向かって行く感じ
この5人なら、12月のZepp Diver Cityも
大丈夫な気がしてくる
そんな、楽しさと自信を感じられた
ライブに参加出来た事が嬉しい
(一年前からZepp Diver City予約してたって
随分強気だな!w)
The Sexy Brutale ~第3の殺人からエンディングまで~ -ゲーム感想
The Sexy Brutaleをようやっとクリア
いやー面白かった。
きちっと測った訳では無いけど
プレイ時間は8〜10時間ほど
(人によってもっと縮められそう)
以下、中盤~エンディングまでの感想とレビューを
最後に、エンディングについて少し触れる
項目があります。ややネタバレ
基本的な内容紹介はこちらを参照下さい
[執事探偵はツラいよ]
本作の基本は足を使った探索と情報収集だ
部屋から部屋へ駆け巡り、ドア穴から盗み見
クローゼットに隠れて盗み聞き
時には、同じ1日をループする構造を生かし
特定の場所の張り込みだけに1日を費やす!
そんな執事衣装とも与えられた役割とも
ある意味不似合いな泥臭い戦いが続く
しかし、これがだんだん楽しくなってくる
[気持ちの良い謎解き]
本作の謎時は大まかに分類すると
- 屋敷の仕掛けを生かしたパズル的要素のあるもの
- 使用人の動きを先読みする、アクションゲーム的なもの
- 直感で何とか出来るもの
上記の3種類だろうか
そのバリエーションのおかげで
マンネリを感じず、楽しむ事が出来る
難易度もちょうど良く感じた
(仕掛けを解くものにはヒントがある)
個人的には、第4の殺人を解けた時が
とても気持ち良かった。
[時間というシステム]
ゲスト、使用人と全てのキャラクターが
決まった時間に決まった行動をする中
時間は、中心的な役割を果たす
それは死亡時刻やタイムリミットとして
プレイヤーを追い立てる無慈悲さを発揮する
一方で、行動が時間に管理されているので
その裏をかいたり、時間差でアイテムが
出現したと、プレイヤーの味方にもなる
そんな緊張感と絶妙さに気持ち良く弄ばれた
(平日もこんな速さで時間が流れて欲しい…)
[気になった点]
- 移動速度やちょっとした動作のもどかしさ(敢えて不自由にしているのかも)
- ヒントが与えられるものと、プレイヤーの試行錯誤に委ねられるものの差がある
- せっかく助けたゲストも、次の章に移ると、結局は死んでしまう
[まとめ]
本作は全ての出来事がリアルタイムに
同時進行していく。屋敷内を歩いていると
様々な音が聞こえる。それが何を意味するか
遊び進める内に分かってくるのが楽しい。
シナリオについて 。なぜ、屋敷の時間が
ループし、ゲスト達は殺され続けているのか
それについての解答と、そこに至るまでの
流れについて、満足出来る内容だった。
仮面舞踏会という設定とキャラクター
屋敷内の様々なステージ、BGMなど
まるで一つの劇を見ているかのようでもあり
ムービーなどを挟む事なく、二頭身の
キャラクター達が紡ぐ物語を見ているのは
PS1時代を彷彿とさせる懐かしさを覚える
[エンディングについて]
一つの悲劇から始まった物語
終盤に明らかになる真実と
エンディングまで流れは、どこか前向きで
清々しさのある後味がと幾つかの疑問も残る
始まりと終わりのきっかけが
同じ地点にある、という個人的に好きな構図