『十角館の殺人』この充実感と面白さは十角形 -読書感想
ジャンル:ミステリー
ミステリ小説を読み始めてからまだ日が浅く、専ら、オススメとされるものを読んでいる中
色んなサイトで、オススメとして見かけていた本作
読み終えた今、その理由をこれでもかと知る。いやー面白かった(^人^)
感想
雰囲気のあるプロローグと、癖のありそうな登場人物達は、今後を期待するには十分
その期待は裏切られる事がなかった。
構成
本作は事件の現場、孤島にある十角館パート
怪文書がきっかけで調査を始める本土パート
この二つが交互に展開していく
連続殺人が繰り広げられる館の緊迫感と、事件の掘り下げが行われる本土での謎解き感
その二つが味わえる構成が楽しい。また、これにより一つの事件の厚みが増していくのがナイス
犯人に放浪される面白さ
館モノならではの、人物が1人また1人と減っていき、本来なら犯人が分りやすくなるのに、分からない
しかも、本土での調査で新しい事実が飛び出してくる度に流される。
そんなヘボ探偵っぷりを発揮していたら、いつの間にか迎える最終盤。犯人とそのトリックのネタばらし。
それを読んだ時は、最初「いきなり何言ってんの?」となったけど、続きを読めば読む程、その噛み合い具合が染みた…
本作で用意された設定とかが、これでもかと生きている感覚には、「少し力技じゃない?」と負け惜しみすら出る
おわりに
ラストシーンまでその余韻を作ってくれる、そんな文章が好きになってしまう。
その、爽やかさすら覚えてしまう、何処か無常さすら感じてしまう場面。本作を読み終えた充実感が嬉しい。
名作の名作たる所以をきっちり味わえた。ミステリ小説にわかには嬉しい体験でした。
全くの余談
本書とは全く関係がないけど今回、移動中に本書を読んでいた
アイドル横丁夏祭りの楽しかった思い出と、翌月曜の体はクタクタの中、通勤中に読んだ
ラストシーンの余韻と、そこから得た「夏始まったわ…」感は、これからもずっと残る思い出になるんだろうなぁと