新耳袋殴り込み 最恐伝説 異界の中心で世界を吊る -読書感想
内容紹介とレビュー
一つの転換期を迎えるシリーズ4作目
大阪 新世界にあるという
首吊り屋敷
それを相手にメンバーを変え
環境を変えながらも筆者が挑む
レビューに関してはこちらを
参照して頂ければ
感想
本作はこれまでとは若干テイストを変えつつ
根本にある、挑戦して心霊現象を撮る
という方針は変わらない
むしろ、若干ヤバい方向に突き抜けた感も
そもそも、本作の中心となる
大阪の首吊り屋敷から
これまでとは違い都会の中にある異界
という、少し異質なものであり
その時点で、本作の方向性は
誘導されていたのでは?とすら思える
本シリーズの持ち味でもある
ギャグ交じりの文章は健在であるが
それが少し控えめに思うくらいに
いつもより不気味で独特な雰囲気が
本編後半の、再挑戦がスタートした辺から
展開される。そういう意味でも
どこか新鮮な気持ちで読む事が出来た。
[魅力的過ぎる、首吊り屋敷]
都会の中心にある異界というのは
不思議でもあり、街全体に渦巻いている
様々ななエネルギー、情念が流れ込む
どこか穴のような印象を得る。
しかも、首吊り自殺があり
それ以外でも死体が発見された事もあり
さらに怪しげな儀式らしき痕跡もある
漫画めいた設定過ぎて、実情はともかく
まるで、その1画だけ異世界から
落ちてきたようだ
[違う常識で生きる人々]
「我々のそれとは違う常識で
生きている人達がいるのかもしれない」
これは本シリーズ内でしばしば登場する要素その考え方は、この世界の奥行を
拡張してくれる考えだと思う。
実際、毎日顔を合わせている
職場の人でも外では何をしているのか
全く分からないし、そういう意味では
そんな異なった理で生きている人がいると
考えた方が自然だとも思える。
たまたま、出会う・目撃する機会がないだけ
もっと自然に我々の社会の中に
溶け込んでいるのかもしれない
今思うと、三本足のサリーちゃんも
そっちサイドの人だったのかな
[まとめ]
本作は、首吊り屋敷という
一つの心霊スポットとの出会いから始まり
そこへの挑戦を中心に纏められており
今までの殴り込みシリーズは
オムニバスのような形式であったため
少し異なる構成となっている。
これまでのようなガヤガヤ感は減ったが
その分より、心霊スポットへの突撃感がある
(少し主観的過ぎると感じるところもあるが)
終盤の、ミイラ取りがミイラとなる
覗いていた深淵に覗かれていたような展開が
最高に好きです。
筆者のTwitterを見ると
次回作も執筆中との事で楽しみだが
昨年夏にフォローした時から
執筆中であったがいつ出るんだろうか
また、タイトルも継続でいくのか
新規になるのか
早く新しい挑戦が見たい
シリーズ過去作品