新耳袋 殴り込み 第三夜 中年男子のマジがエンターテインメントに昇華する瞬間
内容紹介とレビュー
中年男子達のアグレッシブな
心霊スポット巡りも3巻目に突入
人形の幽霊を押さえるという
ミッションに挑む
レビューについてはこちらを参照していただければ
感想
シリーズ3巻目ということで
以前から好きだったギャグを盛り込む
文章のキレと、殴り込みGメンの書籍での
活躍は一つピークを迎えた感すらある
メンバー同士の容赦なく
しょうもない争いと、不良達との戯れ
本気のビビりはもはや様式美の域に
基本的に筆者達の体験を中心にまとめ
明確なオチがない話もあるという事を
分かっていて楽しんでいるが
Y霊園や「庭」に関する話は
正直、?という印象が拭えなかった
どういう位置づけの話なんだろうか
後者は特にその分量も多目であったから
余計そう感じた。
しかし、笑いあり恐怖あり涙もある中で
最後にミッションの達成と
不気味な余韻を残して終わるのは
もはやエンターテインメントのようでもある
そんなマジの姿が詰まった一冊
考察
「心霊現象、幽霊を挑発するという事」
本シリーズの活動のメインとなる
心霊現象、幽霊への挑発行為
今回もまるで青春時代を思わせてくれる
そんな多彩な挑発を魅せてくれる
そんな中で浮かぶ疑問
心霊現象、幽霊には挑発が有効であるのか?
[幽霊は挑発行為を認識している?]
筆者達が行う挑発行為
確かに抜群の威力を発揮しているように
見える
しかし、それはあくまで人間の意識から
見た感想であって
一応、我々とは違う(と思われる)幽霊にも
同じように響くのか、挑発と認識するのか?
今回、筆者達は挑発行為の結果?
成果を得るが
幽霊も我々と同じような思考
認識能力なのか
幽霊的な思考にシフトとかしないのか
であれば、自分の今の姿をどう見つめ
考えているのか
などという疑問が尽きない
[人間を終え機械になる]
また、穏やかとされる幽霊は
ひたすら穏やかで
怖い・不気味とされる幽霊は
ひたすら怖く不気味である事を見ると
もしかして、幽霊のなった際に
人間の時に抱いていた様々な感情の中から
ごく一部の感情に、リミッターの外れた
状態に特化し、それをひたすら発揮し
続ける、一種の機械装置のようにでも
なってしまうのではないだろか
例えば、怨みの念に溢れる地縛霊は
その感情のままにそこを訪れた
人間を襲う、自動攻撃装置のようなイメージ
挑戦行為に反応する理由を
色々考えてみたが、どうだろう
シリーズ過去作