最近床が友達!

日々の労働が辛い僕の体験まとめノート

『GODZILLA 怪獣惑星』を見た

アニゴジをようやく見てきました。

その感想記事です。怪獣惑星だけでなく、小説 怪獣黙示録のネタバレを普通に含みます。

 

感想

全体的な感想としては、良くも悪くも3部作の1作目といった感じ

ゴジラvs人間という、各シリーズの1作目としての定番的な内容。

 

今回のゴジラさんの脅威について、前日譚である小説版を読んでいた事もあって「どうなるんだろう?」と思っていた。

そして、まさかのゴジラさん撃破という展開に驚きつつ、その後の畳み掛ける流れは見入ってしまった。

 

濃いSF色

事前に小説を読んでいたので、異星人周りのテクノロジーや、移民船関連の内容は頭に入っていたけど

前半部分でその辺りが中々がっつり描写されている事に少し驚き。移民船での20年の生活は小説版で危惧されていたより

地獄であった模様。ゲマトリア演算の万能さに笑い、各種モニターグラフィックスがとってもカッコいい

 

やっぱり胡散臭かった異星人ズ

アニゴジに登場する、エクシフとビザルドという二つの異星人。地球を守る為に力を貸してくれた~という設定だけど

やっぱり乗っ取る気満々だったのでわ?と思わされる意味深なやり取りがあり、終盤の一悶着を予想される

宗教とテクノロジーという、よく考えたら乗っ取りに適した長所を持ってるんですよね。この異星人達

穏やかなのか強制なのかの違いだけで、凶悪だよ

 

小説を読んでると嬉しくなる怪獣冒頭

冒頭にダイジェストで、なぜ地球人が移民に至るのかといった説明の中で、人類が怪獣デビューを果たしたカマキラス君から

様々な怪獣が現れる黙示録的ダイジェストが流れる。この辺りは小説を読んでるとニヤニヤだけど

そうでないと、ちょっと駆け足過ぎるかなーと感じる。というか、小説読んでてもちゃんと映像化してくれ!って思う

 

アメリカに上陸したゴジラに使用されて核弾頭150発は、映像で見ると文章以上にとてつもないインパクトだった

そりゃ大統領も発狂してしまう

 

2万年後の地球にこんにちは 

ゴジラを頂点とした生態系が成り立つ惑星へと変貌したという、事前知識のおかげですんなり話に入れたのは良いのか悪いのか

最近パリピづいて渋谷行く事が多くなった身としては、上陸地点が渋谷周辺と聞いたり、109らしき痕跡が嬉しくなったり

 

ゴジラの亜種さん達が思った以上に凶悪で笑う。どんな風に発生したんだろか。シンゴジラ的に分裂していったのかな

 

対決ゴジラ

本作の目玉シーンですね

小説版で散々知ったつもりだったけど、やっぱり今回のゴジラさんは無慈悲スペック

物理攻撃を受け付けないシールド、自己再生能力、荷電粒子砲めいた熱線(エイムも上がってて正にレーザー)

 

予想通りにというか本当に人が死ぬ。色々場面は動くけど、あくまで人間主体のシーン切り替えのせいか

ゴジラさんの姿がふんわりとしか確認出来ない場面も多々あり、そこは改善を希望。

それでも、作戦にタイムリミットが発生するおかげで、見てて緊迫感は中々のもの。

ある意味、シリーズで一番人間が直でゴジラさんとやり合った映像はアニメだからこそ出来た事かなーと思う。すごい

 

気になった点

僕はゴジラ作品に愛着があって、小説版を読んでの参加と結構なガチガチ具合だったけど

劇場で見られた、一見そうじゃない層の人達にはどう映ったのかなという、オタク特有のめんどくさい心配

正直、主人公がちょいちょい進撃の巨人のエレンと被って困った(笑)制作側も分かっててやってるんだろうけど

結構ガチなSF描写だったり、未来兵器を使った戦闘だったり、コレジャナイを抱く人が出ても仕方ない

好みが分かれる内容かと思う

 

楽しみで仕方ない次回

絶対メカゴジラ宣言としか言わない、2部のキービジュアルに今からワクワクが止まらない

小説版の年表で■■■■■とぼやかしていたのはメカゴジラでした!と今更気付く

今回、別に初日に行く事に拘ってなかったけど、エンディング後のあのメカゴジラドーンなキービジュアルは

公式アカウントのネタバレ無しで見たかったとマシで思う…。その方が絶対もっと楽しかった

 

メカゴジラ(2018)のデザインは一体どうなってるのか映像とキービジュアルだけじゃよく分からない。顔がガイガンっぽさある。

ゴジラ(2018)さんと大分サイズ差ありそうだけど大丈夫か?

 

おわり

一時期斜めに構えた時期もありましたが、アニゴジ、これからが楽しみな作品だと思う。

これからの仕込みのようなセリフ、描写があったり。アニメだからこそ出来るゴジラを魅せて欲しい

 

小説版は映画を見る前でも見た後でも楽しめる事を確信したので、未読の方はオススメ!

 

 

 

『死刑 その哲学的考察』 考えるきっかけであり指針にもなり得る1冊-読書感想

 

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ジャンル:新書

死刑について書かれた本は沢山あるけど、どれも何かイマイチ取っ付きにくい。難しそうだったり

肯定・否定の主張がしんどかったり。本書も人からすれば、そんな取っ付きにくい1冊に入るとは思う。

個人的にタイトルがカッコ良かったのと、単純に中身が面白そうだったという軽い動機で購入

 

感想

サクサクといかないまでも、ある程度の勢いを持ったまま読ませる内容のある、充実感のある1冊といった印象

読んでいて面白かった。

 

分かりやすい内容

個人的に、従来の死刑本に持っていたイメージや、タイトルにある哲学的考察という言葉から、読む前は少し構えていた。

しかし、本書は、新書という性質からかそれが杞憂であるかのように分かりやすい易い。

 

結論ありきでない、問題提起から始まり、どんな考え方や意見があるのか、その反論や過去の事例はどんなものがあるのか

そういった内容が、絶妙なバランスでまとめられていると感じた。

 

死刑を執行する上で、道徳的にはどうなのか?また、政治的にはどうなのか?

この2つのテーマを中心に据え、肯定派・否定派の両論を記載し解説と反論を行っていく構成は、どちらにも偏らないように

筆者がとても気を付けている事が分かる。僕は何方かと言えば肯定派なんだけれど、筆者のそんな姿勢のおかげか

否定派の意見や、死刑を肯定した際の問題点などを冷静に受け止める事が出来た。

 

簡単に結論が出るものではない

本書を読み終え、改めてこんなある意味当たり前とも言える感想を抱く

 

凶悪犯に見合う究極の刑罰として死刑があるのは当然

といった今迄漠然と思っていた事で片付く簡単な話ではなかった。否定派が読んだらどう思うんだろうか

少なくとも、個人的には明確な回答を得たり、自分の考えの確立を目指すタイプの本ではないと感じた。

 

死刑という事柄に対して考えるきっかけと、その手助けといった感じ。入口的な

その代わりに、本書は何回でも読める。それだけの内容があると思うし、自分の考え方が変わる時々で発見がありそうだなーと

 

おわりに

本書は新書としてみると厚さがそれなりにあるし、テーマ的にも手に取り難い気がする

しかし、そんな事を気にせずにガンガン読める内容は面白く、刺激的ですらある

 

また、適度なタイミングでのおさらいや、繰主張に偏りのないようなバランス感覚など、筆者の気遣いも窺える

筆者自身の感覚も、(本文中では)読者側に近い、庶民的で共感出来るもので、好感が持てる

 

買った動機はともかく、良い本に出会えたのが嬉しい

 

 

死刑 その哲学的考察 (ちくま新書)

死刑 その哲学的考察 (ちくま新書)

 
死刑 その哲学的考察 (ちくま新書)
 

 

 

 

ゴジラ FINAL WARSを見た

アニゴジが公開された今週末

休日出勤後の日曜は在宅を極め、なぜかゴジラFWを見ていました。

 

今回が、2回目の視聴で色々思った事もあったりしたので記事を書きました。

 

世界観がめっちゃ好み

FWの世界はゴジラさんだけではなく、色んな怪獣と戦い続けている世界。この辺りはアニゴジに通じますね

 

その中でミュータント兵士がいたり、従来のゴジラとは一線を画すものの、個人的には好きな設定だったりします。

VSシリーズはともかく、昭和ゴジラやを見ても、怪獣がこれだけいるのだから人間も常に怪獣の脅威に晒されていても良い感じが

個人的に思う所で、なのでこの怪獣大戦的な設定は好きなところ。

 

また、それとは別に頼もしい味方だったミュータント兵士が、遺伝子を利用されX星人に操られてしまう絶望的な感じも

なかなかゾクゾクする設定。今回見直してFWは、設定レベルだと好きな要素が多い事に気付く

 

なぜ好きになれないのか

そんな好意的な気持ちの後に沸き上がるこの疑問

 

やっぱり単純にゴジラさんと一部の怪獣以外の、怪獣達の扱いがすごい軽いからなんだなーと感じる

勿論、出る怪獣の数を考えたら全部の活躍は上映時間的には難しいかもしれないけど、客としては関係ないし

何とかしてよプロなんだから…と。怪獣を沢山出しても扱いがあれじゃ意味なくないみたいな。

戦闘シーンの演出で良かった点も結構あったので正直X星人と人間の對決シーンとかいいからみたいな闇を抱く

 

ガイガンがめっちゃカッコイイ

今作のガイガンがやばいカッコイイ

深い色味の赤とか、機械的な部分がハイブリッドされた怪獣の魅力が輝く

 

だからこそ、2回連続で頭やられてあぼん納得いかない

1回目はともかく2回目は自分の攻撃やんけお前…となってしまいます。

 

おわりに

ゴジラFWを初めて見た時は、思わずゴジラ好きな友人にメールしてしまったのですが

(返信はなかった)

今回見直して見ると、設定面を主に良い部分も沢山見つけられたのが意外で嬉しい発見

 

ただやっぱり、オリジナルの会場SF映画なら良かったかもしれないけど、ゴジラさんって絶対的な主役がいる作品では

個人的にちょっとなーと思う上映13年後の感想。シリーズの切り口としては新しいし、当時よりも

色んなゴジラが許容されてる今の方が時分は良かったような。と思うと同時にある種の当時の限界もどこか見れる

 

また、数年後みたら感想が変わりそうでもあるし何か不思議な作品だと思っています。

Wake Up, Girls! 新章 4~6話の感想

溜めてしまっていた、WUG新章をようやく一気に消化

ネットで言われてたような紙芝居感に苦笑しつつ、見てて色々思った事のまとめ。

 

感想
4話と5話

メンバーの個人回を終え、ようやくのまゆ回

 

最初また録画間違えたかと思った上に、未だに新章のキャラデザになれていないから、髪型とか分かるとマジで分からない(笑)

都落ちしてしまったとはいえ、トップアイドルの志保とダブル主演したり、他のWUGメンバーも

普通に全国区番組やってるところが見られるし、普通にアイドルとして売れてないか?感すらある

 

まゆとの絡みは勿論、志保がこんなに話してるところも初めて見たような気がするし、何か新鮮な回だったと思う

ドラマの役を通して、互いのわだかまりとか溶けて、仲が進展する展開。王道であるけど、これまでの仕事回で一番しっくりきた。

何か志保、良い意味で丸くなったな。ネクストの子達と一緒にいると完全にお姉さんだし

 

ただ、もかが怪我をしてその代わりにI-1に一時復帰するってのは、志保のキャラ的にないんじゃないかなと思うし

まず、白木もそういう判断しない気がする。I-1周りの描写が何か特に不穏。新曲はめちゃめちゃ良かった

 

6話

リアルのわぐらぶでも好評らしいバスツアー

こういう、3次WUGちゃんの活動やネタを持って来れるのは良い

 

動物園の、WUGちゃんを探せコーナーがやたらエクストリームだったけど、リアルのそれもオタク相手だし結構見た目が地獄そう

みなみの遅刻による、みなみオタクの沈み具合が変にリアルこっちまで凹みそうになったけど

その後のななみ推し増し発言だったり、ちょろさも変にリアルで笑った

 

前回くらいからランガちゃんがようやく本筋に絡みそうな流れに。ちゃんとアイドルを目指す系のキャラなんですね

ただ、残り話数でどこまで描けるのか、今から不安に。グリーンリーブス加入で終わりかなぁ

ランガちゃんの演技良い感じですね。予告ラストの3人で腕組みしてるのも可愛かった

 

そして、何かもうリアクション装置みたいになってきたI-1clubの引きで次回へ

まさか例のバーチャルアイドルをセンターにするとか言わないよね…?

 

おわりに

個人的に、まゆしほの話は良い意味でのWUGっぽくないところがあって、結構好きなエピソードでした。

 

しかし、話的には良さげな部分があっても、やっぱり紙芝居は笑ってしまう

それが本質じゃないってのは分かってるつもりでも、アニメだし真っ先に目についてしまうところだし

作画については、前シリーズで何かしら反省で得たものとかなかったんだろうか…

 

次回はアニメお休みで、久しぶりのわぐばん!

代アニLIVEステーションが面白い会場だった。

先日、アイドルさんの平日ライブがあり、初めて行った代アニLIVEステーション。

そこが何か面白い会場だと思ったので、それをまとめたタイトル通りの記事


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最近ちょいちょい、アイドルさんのライブ関係で名前を見るようになった会場。

個人的に代アニと言えば、専門学校の代アニのイメージしかなかったので、てっきり校舎施設内のステージ会場な印象だったけど

前よりライブハウスに参入してたらしく、しっかり単独の会場でした。

 

ドリンクチケット券売機

まず最初に目に付いたのがこれ

受付の人に直接ドリンク代を渡すのではなく、横の券売機で券を購入し、それを交換するという形式

(初見過ぎて最初素通りしてしまった)

 

一瞬、画期的だって思ったけど、券売機に貼ってあった小銭不足の張り紙と、普通に千円入れる勢の多さを見て

あんま他のライブハウスとその辺は変わらず、ちゃんと500円用意するに越したことないなーと思う。

小銭無くて1000円札出す罪悪感は無くなるが

 

会場が横長

入場してすぐステージが見える。

通常のライブハウスの縦長な空間とは異なり、ここは全体的に横長な感じで、何か新鮮な気持ちになる

 

ステージ前方から後方までの奥行があまり無い代わりに、真横からでもステージを見られるのは

ちょっとした舞台みたいだなーと。正面スペースも前スタンディング半分、後ろ自由席半分と行った感じで

上手くやれば、色んなニーズに応えられそうな感じ。

 

スタンディングスペースではしゃいでると、ステージ側にある鏡にそのオタクしてる姿が見切れる事があるから注意して下さい…

 

会場までの道程

新宿駅東口から、ゆっくり歩いても25分くらい。道中コンビニも沢山あり(イートインスペース付きも多い)

 

コンビニ前で転がってる酔っ払いに警察が出動していたり、街中にバッティングセンターがあって快音響いてたり

歌舞伎町的な夜のお店が沢山あったり。田舎者には新宿感溢れるルート

 

以外雑感
  • ドリンクコーナーにいた子がめっちゃ可愛かった
  • アルコール提供あり。ビールの量が多目でビビる
  • トイレ一つ行くにも、ドアを開けてちょっと廊下を抜ける、良い一手間がある
  • 床の絨毯感が良き
  • 男子トイレの小が全部故障中は笑う
  • 会場が入ってる建物の1階にスーパーがあるけど、酒類の価格はコンビニと変わらない
  • 道路挟んだ向かいに酒揃えとパンが美味いデイリーストアがある

 

おわりに 

今回初めて行ったのに、印象に残る事が多過ぎて思わず記事にしてしまう。

 

仕事中、ルートを調べてたら昨年起きたトラブルまで知ってしまう。会場自体は結構良い感じなのに、そういうのは何か冷める

 

これから行く機会はどのくらいか分からないけど、好印象な会場でした。

最近読んだミステリ小説の色々感想 -読書感想

本自体は楽しくて読んでも、いざ感想を書こうと思うと中々書けない…

 

そんな本も結構増えてきている現状。しかし、ちゃんと全部面白く、色々思った事もあるのも事実

なので、短めでも詰め込んだ感想集的なのをやってみようと思った次第

 

感想
改訂完全版  異邦の騎士

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御手洗潔シリーズの3作目にして、最初の事件を描く

記憶喪失となった男の視点を中心にした本作の事件は、ミステリ小説と聞いて思い浮かぶような殺人事件などとは

ちょっと違う、ある意味異色の事件だったのが面白い。

 

序盤の恋愛小説のような一連の場面は正直退屈であった。しかし、中盤以降からガラリと変わる展開に一気に引き込まれ

そこから最後まで読み切ってしまう。勿論、ミステリ小説なので事件があり、そのトリックも

これまで2作とはまた違った角度から、とても面白いものを魅せてくれる。そして、退屈だと思っていた

序盤の恋愛パートも決して無駄ではなかったと思わせる結末と読後感。とても良かった。

 

水車館の殺人

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綾辻行人氏の「館シリーズ」の第2弾

前作十角館の殺人で登場した島田潔が探偵役に収まってるのが何か面白い。

 

今作は水車館で起こる、過去と現在の事件を、時系列を交互に移動しながら描いていく

その内容は前作よりも、いわゆる本格推理小説寄りで、力技もなくちゃんと読めば読者も解けるが

勿論ちゃんと驚きと面白さがあるといったもの。僕自身も何となくながら犯人を予想する事が出来て嬉しかった(笑)

 

ラストシーンの何とも言えない、あの感じも個人的には好きだ。

 

 

血の季節

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都内で発生した幼児殺害事件。その容疑者とされる人物の独白と、警察による捜査を交互に描く

 

独白パートでは第二次世界大戦末期の日本が舞台である事、弁護士達が容疑者がいる精神病棟へ訪れる冒頭シーン

そして何よりも本作の最大の特徴である、吸血鬼という要素が見え隠れする事で現れる、独特の雰囲気が素晴らしい。

 

常に薄暗いような不気味さを漂わせつつ(僕が読んだ日は、曇りと雨であったので尚更その印象が強い)

ともすれば、ミステリ小説を読んでいるのに吸血鬼を受け入れてしまう。そんな面白さと「嫌な」感じがある

 

リラ荘殺人事件

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特別な舞台や登場人物達が集まった訳では無い。

普通にの大学生達が集まった山荘で起こる連続殺人事件。

なのに、面白い

 

本作の殺人事件では、死体の傍にトランプのカードが置かれている。これがとても効果的で

連続殺人の不気味さとか犯人の明確な悪意、殺人の関連性と、なぜカードを残すのか?といった謎

それらを一身に引き受け実現している。

 

最後に一応探偵役は登場するが、そこまでの過程は、良い意味でこれまで読んできたミステリ小説で一番身近に感じた。

しかしながら、その謎解きも秀逸で、事件後屋敷から引き上げるシーンまで、じっくり楽しめた。

 

 

 

 

異邦の騎士 改訂完全版

異邦の騎士 改訂完全版

 

 

 

 

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

水車館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 

 

 

 

血の季節 (宝島社文庫)

血の季節 (宝島社文庫)

 

 

リラ荘殺人事件 (角川文庫)

リラ荘殺人事件 (角川文庫)

 

 

 

 

『GODZILLA 怪獣黙示録』怪獣、ヤバイ-読書感想

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ジャンル:怪獣、SF

ゴジラがアニメ映画化すると聞いたのが去年。それもいよいよ公開が近づく

アニゴジについては、あまり前情報を仕入れてなくて、せいぜい公開される映画のあらすじ程度の知識

 

そんな中、本作を本屋で何となく見つけ、本編の前日譚との事なので購入。

とても面白かった。

 

感想

前日譚とあるように、本作は1999年のカマキラス登場から2042年のヨーロッパ奪還作戦までを

それぞれに関わった人物にインタビューし、語って貰うという形式。人間が遭遇した怪獣エピソード集といった要素

 

怪獣が沢山出る

本作は厚さもそんなにないし、やっぱり何だかんだでゴジラさんがメインだろうし、他の怪獣の出番はあまり期待してなかった。

しかし、予想以上に沢山怪獣が登場する。エピソードの一つ一つは短めだけど、その部1怪獣1エピソードみたいな感じなので

結構な満足感があった。ていうか、よくこんな数の怪獣に襲われてまだ全滅してないな!って感想すら抱く

 

「怖い怪獣」を描く

ゴジラさん含め、怪獣達には長年親しんできたせいか、どこかコミカルな印象を持っていたし、親近感すらあった。

そんな怪獣達が、本作では徹底的に恐怖や脅威、絶望の対象といつ風に肉付けされている。

普通に人間を襲って捕食するし、都市を壊すし、戦闘で地球環境も悪化の一途。人類の生存圏もどんどん無くなっていく

 

そんな姿が、劇中の人間を通して語れる。冒頭に掲載されている年表や、戦況が付された世界地図は中々絶望的

 

ゴジラさんの脅威もシン・ゴジラ以上。世界地図を横断する道程の、屍具合が凄い。ペンペン草も残らない

アニゴジ、何か眠そうな顔してるくせに一番やばいヤツだぜ

 

絶望の中のファンサービス

そんな人類にとっては絶望的な本作だけど、ところどころにオマージュ的なネタが散りばめられているのが楽しい

 

例えばドゴラの、宝石の流通ルートを探るという原作本編の設定が生かされているものから

有名なセリフ・メカ・シーンの引用まで様々

。僕が分からなかったものも含め結構な数があるんじゃないのかな。

 

個人的には、ヘドラのそれを見つけた時、ニヤニヤしてしまった。全体的に話が暗い中での、良い感じの息抜きにもなっている。

 

おわりに

実際、本作もよくある人類絶滅ものと捉えられるかもしれないが

ただそれだけで終わらないのは、やっぱりゴジラの怪獣だからって部分がとても大きいと思う。

 

今まで慣れ親しんだ怪獣達の凶悪な姿を見るのは、何とも違った面白さがあって良かった。

こうやって、これはこれ、それはそれ的な楽しみが自然に出来るところに、ゴジラの懐の深さを感じた。

 

今回の映画について、殆ど前知識のない状態でもちゃんと楽したので、アニゴジの世界観に触れるという意味では

正にうってつけ。厚さもそんなにないし、内容の勢いあってサクッと読めるのも良き。

 

オペレーション・グレートウォールの映像化を希望したい