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『巨大企業は税金から逃げ切れるか? パナマ文書以後の国際租税回避』今と未来のタックスヘイブンを見つめる-読書感想

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ジャンル:新書、経済

 

新書はその厚さも相まって、読みたい知識をサクッと読める反面

発売時期とかブームの関係で似たような本が多かったりして

一つのジャンルを掘ると、何回も同じような内容を読む事も多い(それも大事な事なんだけれど)

 

今回はそんな中、全くの新しい知識に触れられたのが嬉しかった新書

 

感想

昨年起きたパナマ文書事件

その概要と影響の解説、そしてビットコインやサイバー世界の現状など、タックスヘイブンの今後を予測する

 

よく分かる新書

本書はとても分かり易く書かれている。

 

例えば、パナマ文書について、ニュースでちょっと耳にした程度の僕でも、詳しく知ることが出来た。

 

また、こちらも最近話題のビットコインや、インターネットの世界についても、分かり易い解説をしてくれるので

単純に知識を得たり、その取っ掛かりとしても、とても役立つと思う

 

新しいタックスヘイブン

個人的にタックスヘイブンに関する本を、これまで何冊か読んできたが

本書は、その内容故にマンネリ感など一切なく楽しめた。むしろ、新鮮気分

 

まず、パナマ文書という比較的新しい問題を

扱っていること。次に、従来の本ではよくあった

国際関係の枠組みや対策といった内容は、軽く触れるくらいとなっている

しかし、その代わりに新しい分野、今後に関する問題提起がある事が刺激的だったし、本書の特性だと思った。

 

ビットコイン
  • その成り立ちから現在までの流れ
  • ブロックアンドチェーン方式の説明
  • マイニングについて
  • 今後の展望

大まかにこのような内容で構成されている

 

個人的には、ビットコインの設計の基となっている論文の著人が日本人(日系人?)である事や

取引の整合性を保つ為のハッシュ値、その解析プログラムの配布と

正解者には賞金を与えるというシステム(マイニング)で世界中の一般参加者を競合させ

その公開性により信頼を確保している、というシステムが面白いと思った。

 

また、取引の信頼性を獲得する作業や権限を、国家などが独占する従来のような体制ではなく

公開・分散する事で、これまで未来の一つの到達点として予想されていた、権力集中による管理社会とは違う

分権的な未来の可能性をも見せている、というようななんだかワクワクするような事まで

書いてある

 

サイバー空間

暗号通信や、通常の検索エンジンでは辿り着かない深層ネットの内容が面白い

単純に僕が今まで知らなかったからなんだけど、だからこそ初めて触れる内容が刺激的

 

最近目にする機会もある「tor」の解説が中心的。薬物販売のアマゾンことシルクロードの事件解説が

SFに片足を突っ込んでいるようでもあり、面白かった。

 

日常的にネットに触れているのに、まだまだ知らない事だらけだ…

 

 気になった点
  • パナマ文書以前の国際的な流れ等については、他書に譲る形となっている
  • 既に本書に収録されている内容についてある程度の知識を持つ人には、あまり得る物がないかもしれない

 

おわりに

本書はパナマ文書とその後の影響。

そして、サイバー空間を想定した今後の予想が主だった内容となっている

特に後者は、僕が読んできたタックスヘイブン本の中では、初めて見る内容も多くとても新鮮で面白かった。

 

また、ビットコインやtorについても、詳しく分かり易い解説と事例が載っており、新しく知るには最適であった。

僕は、本書によりビットコインに対する印象が大きく変わった。

 

タックスヘイブンパナマ文書について簡単な知識を得たい人

興味のあるけどそれ程経済に詳しくない人や

勿論、経済について詳しい人、両方にオススメ出来る一冊

 

本書のタイトルとかタックスヘイブン絡みの話題を見る度に

月々きちんと税金を搾取される小市民は何とも言えない気持ちになる

 

 

巨大企業は税金から逃げ切れるか? パナマ文書以後の国際租税回避 (光文社新書)

巨大企業は税金から逃げ切れるか? パナマ文書以後の国際租税回避 (光文社新書)

 
巨大企業は税金から逃げ切れるか??パナマ文書以後の国際租税回避? (光文社新書)