まっくじょぶワーカーの憂鬱

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『プリズム』推理を読む、面白さが突き刺さる -読書感想

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 ジャンル:ミステリー

ミステリ小説の楽しみ方として何を重要視するのか。

それは勿論人それぞれであるけど、やはり犯人とそのトリックが明かされる瞬間は、少し変え難いものがある。

 

そんな考えを良い意味で改めてさせてくれたのが本作。

ミステリ小説の新しい楽しみ方、新しい一面をというものを教わる

 
感想

小学校女教師が自宅で殺害される。窓には外部から侵入形跡があり、室内には催眠薬入のチョコレート

彼女を殺したのは誰なのか?

 

というシンプルなシチュエーションが用意されるところから、始まる

 
推理を読む面白さ

本作は全4章で構成される。

各章毎に主人公が異なり、それぞれが事件についての推理を試みる。

 

各主人公で、被害者へ抱く感情や、立場・関係が様々で推理にもそれが反映される。

その結果、同じ事件に触れているのに、人によって見える真相、推理のが違う等々、本作の面白さが存分に発揮されて

これがとても面白い!

 

人物の見え方が変わる面白さ

各章は少しずつリンクしており、同じ人物が章を跨いで登場したりする、

事件と同様に、主人公が誰であるかによってその振る舞いや、与える印象は異なるのがポイント

前の章ではちょい役だった人物が、次の章ではキーパーソンになっていたりする感覚が楽しい

 

個人的には、1章と4章のそれが印象的で、主人公同士のニアミス具合が何とも言えない(笑)

 

真実とは何か

自分達の辿り着いた推理を真実であると確信する者、生じた猜疑心に悩まされる者など様々

そんな主人公達の姿は正に人間模様。それを見比べるのも一つの楽しみになってしまう

 

結局、否定出来ないような客観的な事実をこれでもかと提示されるまで

真実など人の数だけ、主観の数だけ存在するのでは?などと斜め向きに構えてしまう

 

気になった点
  • 本作の特性上、派手な展開やハードな展開といった要素とは無縁
  • 警察等の捜査過程などは殆ど登場しない
  • スッキリとした結末は得られない

 

まとめ

本作で用意される事件は仕掛けが幾つかあるものの、いたってシンプル。

 

そんな事件が主人公達の推理を受け掘り下げられ、違う面を見せてくるし

それに併せるように人物、背景、トリックも

読む度にどんどん変化していく

おまけに、読者もこの推理合戦に参加する余地まで多分に用意されている。

 

その様子を見るにつけ『プリズム』というタイトルは的確過ぎて、もはやネタバレの域。

 

1人の、絶対的な人物の提示する推理を追うだけでない、複数の推理を読み比べ違いを楽しむ

ミステリ小説にわかの僕に、「こういう楽しみもある」と、新しいものを教えて貰った気分だ。

 

 

 

プリズム (創元推理文庫)

プリズム (創元推理文庫)

 
プリズム (創元推理文庫)

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