噂 -読書感想
ジャンル:ミステリー
新作の香水を売り出すプロモーションとして
少女の足首を切断するレインコートを着た男
-レインマンの噂が流される
その甲斐あって、商品はヒットするが
噂の中の存在でしかなかったレインマンが
実際に現れ殺人事件を起こしていく
感想
殺人鬼の噂の噂を創作し流布したところ
実際に、それが現れて事件を起こし始めた。
という、とてもワクワクする内容
勿論、ホラーでなくミステリーなので
犯人はちゃんと人間。
本書の初刊は2001年。本文中にも登場する
iモードが普及し始めた頃の空気が感じられ
懐かしさを覚える。
聞き込み等の地道な操作と分析を積み重ね
うわさを範囲を特定、じりじり狭めていき
その元凶に迫る過程の面白さは、噂という
題材ならでは
また、主人公の小暮刑事は妻を事故で失い
娘との2人暮らし。親子の会話シーンが
ちょくちょく挿入されるが、是非ここは
読み飛ばさずにして欲しい
[犯人について]
正直、そこに着地するのかーという印象
この辺りには個人的にはあまりドラマ性を
感じなかった。しかし、動機については
本作の事件を思うと◎
[おわりに]
捜査本部の方針とぶつかりながらも
主人公コンビが、事件の背後に流れている
噂に気付き、犯人に辿り着く。
その過程を楽しむものだったかなーと
思っていると、最後の最後にガツンと
やられてしまった。あの終わりはずるい