『密室殺人ゲーム 大手飛車取り』 倫理感?なにそれうまいの?-読書感想
ジャンル:ミステリー
~してみた。という最近ではネットに溢れ過ぎているジャンル(?)
個人的に笑えるのもあるし、悪ノリし過ぎで普通に迷惑じゃないのと思うものまで玉石混交
そんな今の世の中でも出会えない
ぼくのかんがえたさいきょうトリックで人を殺してみた←頑張って推理してね系ミステリ小説
感想
ネットの仲間内で、1人が殺人事件を起こし、そのトリックを出題、他のメンバーが推理をするゲームが行われている。
他の推理ゲームと違うのは、その殺人は実際に行われている
人の命がちょー軽い
ネットで推理ゲームとか、現代ではよくありそうな題材かと思いきや
本作は出題者が実際に人を殺し、そのトリックを出題するという実地的なクールさに溢れている
そして、これが本作の多分一番の※注意点※
本作で登場する殺人事件は、ゲームであり、それ以上でもそれ以下でもない
よって、被害者の命の扱いとか選定理由とか物凄く軽い。本当に軽い
トリックを試したかったから、ちょうど良かったから...そんな感じ
この点が問題なければ、ちょっと現代風の新鮮なミステリ小説だけど
そもそもの殺人に理由とか求める分には、相性が悪い。だって、ただのゲームだから
遊びだから本気で殺る
しかし、だからと言って事件がおふざけかと言えば、決してそうではない
- 法則と、見立て殺人
- バラバラ殺人
- 時刻表トリック
- 密室殺人
- ちょっと科学知識が必要な遊び
と列挙するだけでも見どころはあり、一つ一つの事件はきちんと面白いのがスゴい
遊びだからこその本気になれって言葉が体現されている。
まぁ実際に人が死んでるんだけど
最初は完全にゲームノリの登場人物達に「ちょっと、こいつらどうなん?」みたいな気持ちになったが
慣れると、そのネット特有の軽快なやりとりと楽しくなってくる
(僕もネットやりとりするオタクだし…)
まぁ実際人が死んでいるんだけどねwwww
↑こんなノリ
おわりに
本作は続刊も発売されており、それを承知で購入したのだが
「えっ、こっからどう次に繋がんの?」と素で思ってしまった終盤の展開も見所か
あくまで個人的な印象だけれど、頭狂人(本作の主役的なキャラ。勿論HN)はアスペルガーじゃないかと思った。