戦争のプロパガンダ 10の法則
概要:戦時に現れるプロパガンダの分析と、その解説
タイトルがカッコよくて
つい買ってまったのが入口シリーズ
感想のようなレビューのような
本書でまず注目して欲しいのは、その目次
一つの、どこかで見た事のある演説の一文になっている
そのセンスと、本題の怪しさを感じる事が出来る
[概ね茶番]
自分達は悪くないけど仕方ないみたいな言い方をしたり
敵国リーダーを貶めたし
不幸なエピソードをでっち上げたり
やっている事は、我々個人間のいざこざのそれと同じように
思えてしまう
しかし、これが国家レベルで
死者が出る様な出来事で行われている
こうやって解説本を見るとすごく不快であり
信じる人達の感覚を疑ってしまう
[では、自分自身はどうなのか]
これが、本書を読んでいて
直接ではないけど、読者に突きつけられる課題であると思う
戦時下のプロパガンダの怪しさ、データから見る不確定さを示しつつ
あなたならどうか?を訴えてくる
[過去と向こう側を知る]
本書で得られるものの一つに、ニュースを疑う視点と言うものがある
今では最低最悪の独裁者と言われている人物が
ほんの数年前まで友好的な人物ど紹介されていたり
被害者数のデータが公表時と調査後で著しく異なっっていたり
戦争被害者のエピソードがそもそも存在していなかったり
そういった矛盾点から
普段目にしているニュースを疑う、少し考えるという
視点を得る事が出来る
個人的にはこれが一番大きな収穫だったかもしれない
[大衆なりに考える戦争プロパガンダ]
僕は正直 、本書に列挙されている事例をバカらしく思ったし
なぜ、こんなものに引っ掛かるんだろうという気持ちだった。
しかし、自分に置き換えてみると
平日は労働に忙殺され
休日は自分の好きな事をして過ごす
という生活を送っている限り
はたして、一つのニュースについて
色々な情報を比較したり
それ以前の記事を比較するのだろうか
という疑問が浮かび
恐らくそういった事はしない!
という、大衆ならではの回答を得た
多分こう言った日常の生活から忍び寄り
気付いたら、その考えに染まっている
それが、戦時プロパガンダというものの恐ろしさだと思った
そもそも今は、「おかしい」「下らない」と思っていても
それが非常時に維持出来ているか分からない訳で
その点でも、過去の人々を責めることは出来ない
何よりも
本書で紹介されているものの殆どが
その焼き直しが現在まで使用され
2010年代に入った今でもお目にかかれることに
その証左がある