新鮮 THEどんでん返し 切り口の面白い短編に転がされる-読書感想
ジャンル:ミステリー
ミステリ小説に期待する事は多々あれど、やっぱりどんでん返しは外せない
悲しいかな、最近週末は在宅が多く
長編を読むのが難しい中で本屋を徘徊したら発見
どんでん返しに特化した短編。
こういうのもあるのか(^人^)
感想
収録されている話の中で特に印象に残った3編を紹介
密室龍宮城
浦島太郎の世界観、龍宮城で殺人事件が起こるという、その時点で強烈な設定
浦島太郎以外の登場人物(魚)達は特殊な能力を持っていたりして
ミステリとして成立するのかと疑ってかかるが、これが綺麗などんでん返しをキメてくれる
勿論浦島太郎の物語としてのオチもしっかり回収し、おとぎ話×ミステリの可能性を感じてしまう…
筋肉事件/四人目の
本書の収録作で個人的に一番のヒット
雪で閉ざされた邸宅にて発生した殺人事件。
被害者の親族2人と第一発見者のメイドによるやりとりは
一見よくあるクローズドサークルもの的であるが
どんでん返しという言葉が正にぴったりなギミックと
読み進めながらそれに、ふっと気付いた時の驚きが素敵
短編なのにすごい、と素直に感心してしまった。
読んだ後に改めたて気付く、全編に組み込まれたギミックが心地よい
使い勝手のいい女
ホームセンターでアルバイトをする女性が主人公。
彼女の視点で語られる、年末に彼女と因縁持ちの人物達が次々に訪ねてきた出来事の記録
主人公を訪ねてくる人物が、現実にいそうなリアルに嫌な奴揃いな上、厄介事も運んでくるし
主人公自身の描写も手伝い、殺人の足音がとにかく聞こえてくる。そんなミステリ補正
そして、やってきたその瞬間…!とオチには
これまたいい意味でひっくり返されました。
どんでん返しと一言にしても、色んな種類、驚き、やり方があるんだなーと改めて知った一冊