最近床が友達!

日々の労働が辛い僕の体験まとめノート

本の感想「カルト脱出記 エホバの証人元信者が語る25年間のすべて 」

 名前は知ってるけど何してるのか分からない人達

っていますよね。

芸能人だったり、著名人だったり、カルト団体だったり(強引)

 

カルトが家庭に入ってくる様子が変にリアルで怖さを感じる

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以下、感想のようなもの

「主な構成」

本書は、エホバの証人の信者であった筆者の25年間を

その記述を通じて読者も追体験していきます。

入信、信者活動の安定期、芽生える疑問から脱会に至るまで

その時々の筆者の心境や生活環境が詳細に書かれており

最後まで没入感を失うことなく読み進められます。

 

エホバの証人

エホバの証人について

僕は学生時代の講義で得た判例以上の知識を持っていませんでした。

なので、正直に言って、この本を読んで

「案外真面目な団体では???」

と思う事がありました。

まぁやっぱりカルト団体なんですけど

ただ、聖書研究と伝導が活動の柱で、新興宗教のような

金の臭いがほぼしない、ある種のストイックさと  

ファミリー感は人によっては魅力的に映るのかもなぁと。

(その過程で洗脳も入るんですけど)

 

「信者として生きる筆者の姿」

筆者は入信以来、信者として様々な活動をしていきますが

その教義に全て染まっているという訳でなく

しょっちゅう同じ信者である母親や信者仲間との衝突や

その時々の年齢生活環境に応じて疑問等を抱きつつ

過ごしていきます。

僕は、そういう宗教をやっている人って

みんなガチガチの信者なんだろうなっていう

偏見があるため、筆者は姿は新鮮に映りました。

そういった、ある意味で素直な筆者の姿を書かれているので

後の洗脳から脱する時も違和感が生じません。

 

「宗教をやっている人達」

この本に登場する様々な信者の人達。

本当に普通の人達なんですよね。

勿論問題がある人もいますけど

良い人として書かれる人も多く

信者同士の生活も充実しているように見える。

「カルトの信者である」という致命的な点を除いて。

そういった人達と分け隔てる点なんてそれだけしかないのに

それ故に向こうも我々も一線引いてしまう。

その辺りに妙な切なさを感じてしまうというか

色々考えてしまう。

カルト団体だと、その奇抜な活動や教義、様々なネタ要素で

僕はピエロを見ているような感じで見てしまうんですけど

信者の人達だってピエロになるつもりで団体の入口を

くぐった訳ではないだろうし(ピエロ上等ライターもいる)

元々抱いてた悩みとか漠然とした不安とかって

僕とあまり変わらない気がするし

そう思うと、ただ笑い飛ばす事が難しくなる

 

「カルトを解約する」

本書の一つの山場である、カルトからの解約(脱出)

これまで蓄積されてきた団体に対する疑問

自分と家族の生活環境

非信者の人々との交流

それらの積み重ねを経て洗脳が解ける筆者。

その過程は一部を除き、非常に論理的で

読者の心情的にも分かりやすく描かれている。

本文中にあるエホバの証人の主張もそうなんだけれど

とても、論理的(怪しい部分は筆者が論破してくれる)。

宗教と聞いて真っ先に思い浮かべるような奇跡とかじゃなく

論理的で理性に訴えかけてくる。

ここでも無知だった僕は衝撃を受けるのでした。

 

「まとめ」

本書は、あくまで筆者とその家族がエホバの証人と関わり

脱出するまでが中心の内容となっている。

しかし、それだけでなく宗教というものについて

色々な面から考える余地が沢山あると思う。

僕は今までこういう宗教関係の話題を見る度に

信者(笑)というような偏見で見ていたけれど

少し考えの幅が広がったようにも思う。

自らの経験を基にした筆者の言葉には説得力があり

同時に人間味もとても感じるので

ビジネスで成功した人間=冷血人間

という僕のもう一つの偏見も覆されてしまうのでした。

 

以上、サタンの世界と文化に染まりきった

楽園に入る事が出来ない世の人が送る

(精一杯エホバの証人用語を使ってみた)

感想でした(^人^)