最近読んだミステリ小説②
またしても、読んで面白いと思ったものの中々感想が書けないままな本が溜まる事態に
…
なので、今回も一気にドドっとまとめました。
感想
『邪馬台国はどこにありますか』
とあるバーに集まった者達の会話によって、歴史の様々なミステリーを検証していく本作
会話を中心としたテンポながらも、しっかり歴史本としての面白さが折り込まれていて、サクサク読む事が出来て嬉しい
歴史って面白いっすね…
僕自身も歴史が好きだが、たまに調べ物をしたり本を読む程度の熱量
なので、本作で次々と打ち出される説や視点は、単純にとても面白かった
同じ資料を基礎としていても、それについての解釈や考え方が違う事でこんなにも変わるかと
実際に検証出来ない、資料に拠る事しか出来ない歴史だからこその面白さを見る
『夜は鼠たちのために』
様々な話が収録された短編集
ミステリ小説の短編集は初めて読む事に気付く
派手さはないが、物語の裏でしっかり暗躍しているトリックは見事。じわじわ効いてくる感覚が良い
そういう意味では読ませる、小説向きのトリック達であると感じる
その反面、話のテーマ・内容として男と女のあれこれといった物が多く個人的にはそんなにノレなかったのが残念
『武家屋敷殺人事件』
様々な謎がこれでもかと襲い掛かってくる1冊
強烈な印象を放つ日記から始まり、生家探しから過去の殺人事件・移動する死体、そして先祖の乱心事件まで遡る
一つの武家屋敷を中心として次々と起こる展開と要素。それだけに複雑に絡み合っている謎が解きほぐされていく感覚は別格
一見奇妙でホラーのような雰囲気ながらも、そこはミステリ小説。きちっとした結末が用意されてて、びっくりしました。
唯一残念だったのは、探偵ポジションの人物があまり好きになれなかった事くらい
文庫本にしてはそれなりの厚みがあるけど、それが妥当と受け入れられる一冊