獄門島 -読書感想
ジャンル:ミステリー
感想
金田一耕助シリーズに初めて触れる
島を舞台に発生する3つの殺人事件もだが
その島を取り仕切る鬼頭家の本家・分家騒動
どこか閉鎖的な集落の雰囲気と、既にどこか
嫌な感じ
文章や台詞回しにはさすがに時代を感じるが
わりとすぐ慣れる。むしろ、それが独特な
リズムを生むようにすら感じる
3つの殺人事件はどこか奇怪。自分なりに
推理を試みるが、筆者が用意した甘い罠に
気持ちいいくらいに引っ掛かってしまった
(ここで推理を断念する)
そして、犯人と真相を知った時の気持ちは
解説でも触れられているが、妙な爽やかすら
感じられるという不思議な経験をする。
しかし、事件の根底にある島と特殊な環境や
それ故の人間の情念などは、混ざり合った
ドロドロしたような印象は強烈だった。
[おわりに]
初めて読んだ金田一耕助の活躍
確かに少々変人めいており、島の巡査さんが
勘違いを起こすのも、ある意味で納得
しかし、推理の際に魅せるキレッキレの姿は
正直カッコよかった。
時代設定が戦前と戦後を挟んでいる事すら
初めて知るにわかだけど、とても面白かった
シリーズの中に名前だけ知っているものが
幾つかあるから、それらを今後は読み進めて
いきたいなーと思う