検索禁止 過度の期待禁止 -読書感想
久しぶりに、本を買ってガッカリ
そんな経験をしました…
ジャンル:新書、ホラー
『放送禁止』、『出版禁止』等を手掛けた
筆者が、物語の裏側にある事件やタブー
インターネット上の検索しては
いけないとされる事物を解説していく
良かった点
- 今まで知らなかった海外の事件や、噂について知る事が出来る
- 自分で検索する事なく、検索禁止と言われている恐怖ワードの中身に触れる事が出来る
- 筆者のテレビディレクター時代の話が面白かった
気になった点
- ネットで検索すれば、わざわざ買う必要があまりない情報が多々ある
- 今更、リングの貞子やエクソシストの元ネタ云々を書かれても…
- 自書の宣伝でもしているのか?と思ってしまう部分がある
- 本書だからこそ、筆者だからこその内容が非常に薄い
感想
[ホラーの鮮度]
物語としてのホラーは
当然鮮度などというものはなく
いつ出版・公開されようが
それを読みたい・見たい時に制約や
不利な感情はない
仮にネタバレを知っている作品相手でも
そういった問題はあまり生じない
しかし、これが作品の元ネタ
インターネットで流行っていた
事柄という風な
情報としての価値を付加されると
途端に鮮度というものが発生すると
受け止めている
それは初めて触れるものならともかく
既に知っている情報に出会った時に
牙を剥いてくる
「そんなん知ってるし、今更かよ」と
そんなネガティブな気持ちが生まれる
本書で言えば、リングの貞子・エクソシストの元ネタ、くねくねといった章の時に
僕はそんな気持ちになり
気持ちが萎んでいった
「2017年にもなって何を今更そんな事を…」と
勿論これは知る知らないの問題で
それは人それぞれ
(実際、僕も本書初の情報があった)
でも、そんな危うい情報が
全体の半分以上を占めているのは
どうなのよという気持ちが抜けきらない
だってもう2017年だぜ?
[怖い新書]
あとがきにて
「怖い新書を出して欲しい」との依頼で
本書を書いたとの話が載っていた。
怖い新書というコンセプトは素敵だし
人々は物語の中に禁忌を潜めて
自らの渇望を満たしてきた。
という本書、冒頭の筆者の考えも好きだ。
しかし、その結果出版されたものは
雑多な情報にうすーく+αの味付け
という印象が拭えない
怖い新書というコンセプトが
素敵過ぎるだけに非常に勿体ない…
[一読者として期待した事]
新書を買う時に僕はその本ならではの
筆者ならではの主張・考えといった
+αの要素に期待している。
本書を読んで、物語の元ネタや
背景があるのならそれを知っていた方が
もっと楽しめるという事を再認識出来た。
しかし、そんな事は別に
本書じゃなくても良い訳で、個人的には
数々のフェイクドキュメンタリーを手掛ける
筆者の、見方や考え方というものを解説等を
通して知りたかったところであり
それが叶わなかったのが残念
(目次を確認した時点で察するべきだったか)
[まとめ]
僕は筆者の『放送禁止』も『出版禁止』も
好きだったので、本書を書店で見つけた時は
結構楽しみだったのですが
非常にがっかりする結果に。
ただ、短いながらも『放送禁止』の裏話や
TVディレクター時代の話は面白かった。
それらを纏めた
「フェイクドキュメンタリーの
ドキュメンタリー本」のようなものを
期待したい。