空想科学読本 3分間で地球を守れ? 帯のコピーが圧倒的に端的に簡潔的に魅力的
内容紹介
ジャンル:アニメ、特撮、やや科学
特撮やアニメに平然と設定されている
トンデモ設定を真面目に考えてみよう
という内容
といっても、冷やかしとか
悪い意味ではなく
作者自身の好感の持てる描き方もあり
楽しく読む事が出来る
(真面目に検証したら悲しい結果が
待ち受けていたという場合も…)
ページ数も少なく
1文1文も軽快にサクサク読める
そんな良い意味での軽さもある
感想
本書には色々な作品が取り上げられているが
その中で特に印象に残ったものを
[自分で起こしたソニックブームでやられる]
特撮の設定でお馴染みの単位マッハ
スペック表に速度がマッハとあると何故が安心する
ところで、音速を超えるとそれに伴い衝撃波が発生する
飛んでいる姿がとても流線型とは言えない
光の巨人や三つ首の巨大怪獣は
自分のスペック故に発生したそれに八つ裂きになるという無残…
何故そうなるのか、わかりやすい図解で載ってあり
「まぁそりゃそうだわな…」と一緒にどこかで寂しい気持ちになる
[ネロが可哀想過ぎる]
「フランダースの犬」の主人公
僕もあの有名過ぎる最終回でしか
知らなかったが
「世界がネロに厳し過ぎでは?」
という感想が拭えない
しかも、変に現実でも起こりそうな
絶妙な不幸の連鎖
もう見てられない
[大晦日に出前を120軒こなす演劇少女]
もう演劇でなく違う道を志しても良いのでは?
距離と時間という単純な数字で異次元を魅せてくれる
[使用者を過労死に招くデスノート]
新世界の神になるために世界中の犯罪者を
片っ端から葬ると…という検証
その成就のために過労死しますか?人間やめますか?
[スカイラブハリケーンは実現可能か]
あの有名技を実現出来るか真面目に考える
そのメリットと弊害の合わせ技で
現代サッカーに挑む
[まとめ]
こんな感じの話が計31本収録されている
様々なシチュエーションの検証ばかりで
読んでて飽きが来ないのは見事
そして、帯にある通り、夢を壊し続ける内容なのに
それが気にならないのは筆者の作品に対する
リスペクトを感じる事が出来る描き方と姿勢であると思う
こんなアニメや漫画、特撮の設定なんて
正直、わざわざ検証なんてしなくても
無理、有り得ないなんて事はこちら側も折り込み済みであるし
実際の検証結果を見ても
「ダメじゃん(笑)」「思っていたより凄くない」
といったものも沢山ある
それでも、その作品やキャラクターの魅力が損なわれる事はないし
むしろ、そういうところも併せて、また好きになれる
そんなトンデモ設定って素敵だなって思う
だから、僕は今でも設定欄にスペック表に
速度単位:マッハ表記があると何か安心してしまうんだと思う
ところで、この帯のコピーが秀逸過ぎる
この本の良さを全て、簡潔に示している
すごい