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日々の労働が辛い僕の体験まとめノート

本の感想「オウムからの帰還」

オウム真理教について知るために読んだら

また色々な考えを持ち帰る事になった

 

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以下感想のようなもの

「構成」

本書は、オウム真理教の信者であった筆者の活動の記録が主となっています。

なので、地下鉄サリン事件や教団本部の強制捜査とった出来事でも

断片的な内容しか書かれていない部分もありますが

しかし、元信者としての、教団の内部事情やオウム信者の考え等

また別の視点からの見方を提供してくれます。

 

オウム真理教について」

僕は、正直小学生の頃にサリン事件や強制捜査の映像をテレビで眺めていたくらいの

記憶しかないんですよね。

だから、ネット等でその概要や規模、事件と影響などは調べられるんですけど

肝心のその当時の空気感みたいなのが全くで。

こんな宗教団体が日本にあった事が驚きだし、これからも関心の中にあるような

そんな気がします。

 

オウム信者と筆者の出会い」

本書の内容は筆者がその中で書いているように、信者の時代の心境を出来るだけ

そのままに書かれているように思えます。

オウムとの出会い、信者としての芽生え、疑問を抱きながらの日々の活動

積み重なった疑問が爆発し、そこから脱会までの衝動性と

様々な場面が描かれていますが

その中で個人的に最も印象に残ったのが、筆者とアーナンダの出会いです。

この世界に対する漠然とした疑問点を抱えている(解釈が誤っていたらすみません)

筆者の問いに対し

解答を与えていくアーナンダ。

そのやりとりに感銘を受け、筆者は入会手続きをするのですが

その時の心の動きや感動した気持ち。

とてもリアルに感じました。

すごく魅力的な出会いの場面なんですよね

相手がオウムという点を除いては。

本当に少しの差異なのに致命的。

この種の話題ではいつもそれがチラついています。

 

「内側から見たオウム

元信者の記録という事で、内側からの記述が興味深いです。

麻原彰晃や幹部の言動、サティアン内部の空気感やワーク

そこで行われていたイニシエーション等

人間関連の描写だけ見ると普通なところも多かったりするのに

イニシエーション等の描写になるとカルトを感じざるをえない

方向に変わって行く。

そういったオウムの2面性を垣間見る事が出来る。

 

「まとめ」

僕は今までオウム真理教について調べて知っていたのはあくまで外面のみ。

その中で、今回の内側からの視点で書かれた本書は不謹慎かもしれないけど

面白かった。

本書を読んで思ったのは、宗教を名乗っていても過激な教義と行動があっても

どこまでも人間臭さがつきまとっている、という事

麻原彰晃という、オウム即それみたいな強烈なキャラクターがいる事と

信者間の人間関係の描写が多い点を除いても、人間臭い。

そんな集団が、テロ行為や武装化に走った理由について

洗脳や強制力が挙げられているけれど、本当にそれだけなのかが

疑問として残った。

これについては、今後も自分で調べていくしかないんだろうなぁと改めて思う。

だからこそ、当時の空気感が分からないのが痛い

 

本書で特に印象に残った言葉に

「修行によって自己を高め人々の救済を目指す教団の看板が掲げられた

入口をくぐったはずが、出口には凶悪テロリスト集団の看板が掲げられいる」

というものがある。

この言葉が、ある意味、一般信者レベルでのこの事件の全てのような気がしてくる。

 

まだ自分の中でちゃんとした結論を出せないことが改めて分かった事が

ある意味で1番の臭覚だったのかもしれない

 

 

 

 

感想の書き方を模索中で統一感がないのがモヤモヤする