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ねじ曲げられた「イタリア料理」 読む事が楽しい、新書の料理本-読書感想

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ジャンル:新書、料理

最近は、人が死んだ殺された、連続殺人だ仕掛け屋敷だといった楽しい本を読む事が多くなり

どこか新鮮味のある、新しい分野も開拓したい気持ちがあった。

そんな中、閉店間際の本屋に入り、蛍の光に急かされながらの勢いで、本書を手に取ってみた。

生まれて初めて料理の本を買いました。

 

感想

一見不穏なタイトルであるけど、その中身はとても面白い料理エッセイとなっている

 

本書は、イタリア料理やその食材について、日本に広がっている

ちょっとズレた部分や間違った部分を、歴史やイタリアでの習慣を元に解説。

また、筆者自身のエピソードや料理話が楽しい

 

食べたくなる、作りたくなる新書

本書は、イタリア料理の歴史本としての側面を持ちつつ、料理エッセイとしても、とても面白い

 

パスタやピザといった、普段から身近で味もある程度知っている料理を取り上げつつ

そこに、イタリア人である筆者の感性による文章やエピソードが挿入され、読んでいてその料理がめちゃくちゃ食べたくなる(笑)

朝の電車で読んでいて、中々つらい目に遭った。

 

また、各章末にちょっとした筆者のオリジナルレシピが載っている。

これがまた本当にお手軽そうで、ちょっと実際に作ってみても良いかな?と思ってしまうのが憎い

 

世界がちょっと広がる嬉しさ

イタリア料理について、殆ど知識のないまま触れた本書。

その歴史や、イタリアでの立ち位置や扱いなど読んでいて初めて知る事ばかりだった。

 

しかし、個人的に最も大きな収穫は、普段の買い物の世界が広がった事かもしれない。

筆者は、本文中でよくイタリア産の食材を勧め、日本のスーパーでも結構普通に買えるとのこと。

本当か?と思い、普段利用しているスーパーを細かく見て徘徊したら、本当に売っていた(笑)

筆者オススメのトマトの水煮の缶詰からパスタまでちゃんと売っている。しかも、値段もそれなりに安い!

 

こんな、本をきっかけに新しい発見が出来る事がなんだか嬉しい。そういう楽しみが本書にはあった。

 

トマトの水煮の缶詰という物がある事自体、初めて知った(笑)

 

気になった点

 本書は、公式の紹介文では痛快料理エッセイとあるが、終盤に入ると少し毛色が違ってくる。

テーマが現代の日本や世界が抱える食の問題へとシフトするせいかその内容は、少し暗くなった感がある

 

実際書かれている内容には非はない。一つの知識としてためになる。

それまで楽しくお喋りしていたのに、急にマジレスされたような。そんな感覚を覚えてしまう

 

おわりに

本書は新書という事もあり、料理の本だけれど写真等はない。

しかし、文章だけでも十二分に面白いし、食べたくなる、興味が湧く。

 

何よりも、好きな音楽を流しながら美味いワインをちびちびとやり

料理をする時間が最高に楽しいと言う、筆者の好感度がとても高い(笑)

もっと色んなイタリア料理を扱った第2弾を希望したい。

 

 

 

ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

 
ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)