最近床が友達!

日々の労働が辛い僕の体験まとめノート

ライブ会場近くのコンビニ~恵比寿CreAtoの場合

ライブに良く行くオタクになって以来、コンビニはちょっとした重要スポットになった。

 

ライブに向け、飲み物を買ったり空腹を回復したり酒を入れたり

そんなライブ会場近くにあるコンビニのちょっとした感想

 


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セブンイレブン渋谷東3丁目店

 

店内はそんなに広くはないけど、逆に物を探しやすい

個人的な好みで言えば、取り扱っているストロングチューハイが豊富で嬉しい

トイレ有り、イートインスペースは無し

 


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道中の並木道が素敵

 

また、店を出てすぐに飲める良い感じのスペースもあり、ゴミ箱もあるので缶の処理にも困らない 


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店前で飲みながらふと見ると、入場時間を煽ってくる時計

 

近くにいると、店内のWi-Fiを拾えるのも嬉しい乞食

唯一にして最大の難点は、喫煙スポットも同じ所にあるので

そこが賑やかだったり風向き次第では、僕の様な非喫煙者はゆっくりしていられない

 
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恵比寿CreAtoに来たら歩きたい素敵歩道橋

 

日中の青空の下も良いけど、この辺りは今くらいの季節の夜が特に雰囲気があって良い。

個人的にそれがライブと同じくらい楽しみだったりする。

ねじ曲げられた「イタリア料理」 読む事が楽しい、新書の料理本-読書感想

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ジャンル:新書、料理

最近は、人が死んだ殺された、連続殺人だ仕掛け屋敷だといった楽しい本を読む事が多くなり

どこか新鮮味のある、新しい分野も開拓したい気持ちがあった。

そんな中、閉店間際の本屋に入り、蛍の光に急かされながらの勢いで、本書を手に取ってみた。

生まれて初めて料理の本を買いました。

 

感想

一見不穏なタイトルであるけど、その中身はとても面白い料理エッセイとなっている

 

本書は、イタリア料理やその食材について、日本に広がっている

ちょっとズレた部分や間違った部分を、歴史やイタリアでの習慣を元に解説。

また、筆者自身のエピソードや料理話が楽しい

 

食べたくなる、作りたくなる新書

本書は、イタリア料理の歴史本としての側面を持ちつつ、料理エッセイとしても、とても面白い

 

パスタやピザといった、普段から身近で味もある程度知っている料理を取り上げつつ

そこに、イタリア人である筆者の感性による文章やエピソードが挿入され、読んでいてその料理がめちゃくちゃ食べたくなる(笑)

朝の電車で読んでいて、中々つらい目に遭った。

 

また、各章末にちょっとした筆者のオリジナルレシピが載っている。

これがまた本当にお手軽そうで、ちょっと実際に作ってみても良いかな?と思ってしまうのが憎い

 

世界がちょっと広がる嬉しさ

イタリア料理について、殆ど知識のないまま触れた本書。

その歴史や、イタリアでの立ち位置や扱いなど読んでいて初めて知る事ばかりだった。

 

しかし、個人的に最も大きな収穫は、普段の買い物の世界が広がった事かもしれない。

筆者は、本文中でよくイタリア産の食材を勧め、日本のスーパーでも結構普通に買えるとのこと。

本当か?と思い、普段利用しているスーパーを細かく見て徘徊したら、本当に売っていた(笑)

筆者オススメのトマトの水煮の缶詰からパスタまでちゃんと売っている。しかも、値段もそれなりに安い!

 

こんな、本をきっかけに新しい発見が出来る事がなんだか嬉しい。そういう楽しみが本書にはあった。

 

トマトの水煮の缶詰という物がある事自体、初めて知った(笑)

 

気になった点

 本書は、公式の紹介文では痛快料理エッセイとあるが、終盤に入ると少し毛色が違ってくる。

テーマが現代の日本や世界が抱える食の問題へとシフトするせいかその内容は、少し暗くなった感がある

 

実際書かれている内容には非はない。一つの知識としてためになる。

それまで楽しくお喋りしていたのに、急にマジレスされたような。そんな感覚を覚えてしまう

 

おわりに

本書は新書という事もあり、料理の本だけれど写真等はない。

しかし、文章だけでも十二分に面白いし、食べたくなる、興味が湧く。

 

何よりも、好きな音楽を流しながら美味いワインをちびちびとやり

料理をする時間が最高に楽しいと言う、筆者の好感度がとても高い(笑)

もっと色んなイタリア料理を扱った第2弾を希望したい。

 

 

 

ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

 
ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

ねじ曲げられた「イタリア料理」 (光文社新書)

 

 

Stella☆Beats ワンマンライブ『4つのステラが描き出す新しい夜空』 -ライブ感想

10月1日開催

Stella☆Beatsワンマンライブ@TSUTAYA O-WESTへ参加してしました。

 

とってもとっても良いワンマンライブでした。

 


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感想と思い出忘備録

今回参加自体も突発的

そもそもStella☆Beatsを初めて見たのも一月前みたいな状況でのワンマンだったけど

めちゃくちゃ楽しかった…

 

Stella☆Beats

僕が好きなアイドルさんが沢山所属してるArc Jewel所属で、今まで名前だけは聞いた事あったけれど

機会が合わず中々ステージが見られないでいた。

8月の@JAMが初めてだったなー

それ以降ステージを見る機会もあり、ほぼ勢いでの今回ワンマン参加

 

初めてなのに楽しい素敵なワンマン

今回の感想はこれに尽きる

SOLD OUTとは行かなくても(ちょっと残念)、会場は良い感じのパンパンさと熱さ

入場時のサイリウム配布とか横断幕とか、ファンの方の熱意も素敵

今回MCも多めで、その時のメンバーとオタクのリアクション合戦も面白かったな

 

にわかでも、良い意味での距離感を覚えられる雰囲気が嬉しい

 

勿論、今回の主役Stella☆Beatsのステージも、とっても良かった!

 

対バンで聞いた数曲しか知らない状態での参加だったけど、初見の曲でもそれを感じさせない

見入ってしまったり、周りのオタクに合わせて一緒に盛り上がったり(コール前の誘導が分かりやすく上手だった感)

とにかく楽しかった!でも、それは何よりもメンバーみんなの力だと思うし、そんなステージが印象に残る

 

『初恋Mayfly』、『ARIA~未来への地図~』が特に素敵だった!

 

今しか知らないけど

MCや幕間の映像等で、色んな過去があったらしい事が何となく分かる

でも、無責任かも知れないけど、僕は今の4人のStella☆Beatsだけだから、それを大事にしていきたいなーと

 

アンコール後の各自挨拶の熱さが良くて、個人的に推し新穂貴城さんが23歳と知り(!?)

その挨拶で発揮された、メンバー各自のキャラとか色々知りつつ

Stella☆Beats、とても良い面白いグループなんじゃないかと思う

 

おわりに

初めて参加したワンマンが最高だったアイドルさんはすぐ好きになってしまう

 

今回もその例に漏れず…。というより、単純にAJで好きなグループが増えたのが良き

 

それ以前に本当に今回のワンマンライブが良くて、ステージも会場の熱さも雰囲気も

そんなライブに参加できた事が嬉しいし、Stella☆Beatsをこれから追っていく事が楽しみになる

 

そんな最高の時間だった。

(ライブ時間も2.5時間という、アイドルライブでは長めで良い意味での予想外!)

『ハサミ男』私はこの殺人鬼にお付き合いする -読書感想

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ジャンル:ミステリー

 

ミステリ小説にわかでも、何冊か読んでいるとその様々な主人公がいる事に気が付く

探偵、刑事、助手、進行役、そして犯人

 

本作は、そんな本来の犯人であるハサミ男と共に謎を追う、ある意味で不思議な物語であり

その高い評価に違わない、読んだら納得の1冊となった

 

 

感想

シリアルキラー ハサミ男は、三人目のターゲットの殺害をそろそろ実行に移そうとするが

その直前、ハサミ男模倣犯によりお目当ての対象が殺されているのを発見してしまう。

ハサミ男は、自分のターゲットを殺した真犯人を探し始める…

 

事前情報ノーサンキュー

こんな感想記事を書いていてアレだが、未読の方は出来る限りレビュー等をチェックしてない、真っ新な状態で読む事を推奨する

 

全てがネタバレになるという類ではないが、それでも、本作は事前情報に触れる程に勿体ない。そんな作品だと思う。

 

なので以下、当たり障りのない感想を

 

シリアルキラーの日常

本作は、ハサミ男パートと警察パートが交互に描かれる構成となっている。

 

ハサミ男パートでは、真犯人の追跡だけでなく、ハサミ男の日常であったり、考え方が描写されている事も多い。

そんな内容を読んでいると、いつの間にかハサミ男を好きになってしまう。このシリアルキラーを!

 

一方、ハサミ男がのんびり生活してる裏ではそれとは対象的な警察パートがある。

じりじりと捜査範囲を狭めていく過程が対比として面白いし、ミステリ小説の面白さかな

 

ハサミ男と警察が交わり初める点のドキワク感は何か嬉しかった

 

殺人犯目線の面白さ

自分の獲物が直前で殺されてしまったという始まりの本作

普通なら一生味わう事のない、そんな感覚なのに、自然と染み込んでく

それは、ハサミ男の生活や内面描写が多いことも手伝っているんだけど

 

日常生活を普通に送っている、異常者感とでも言うんだろうか

話している内容は普通に共感出来るのに、やる事が何段も飛び越えている奴しかも、殺人鬼

そんな目線から綴られる世界が段々癖になってくる面白さ

 

というより、殺人鬼が自分の獲物を先取りした殺人犯を捜すってシチュエーションが既に、やっぱり面白過ぎるなぁと

 

おわりに

あらすじだけ見ると、何だかコメディのよう。しかし、その実しっかりとしたミステリ小説

終盤の鮮烈過ぎる展開とその余韻に、思わず唸ってしまったミステリ初心者であった。

(というか、その場面を迎えた時、何が起きたのが分からなくなった)

 

最初、文庫本ながらその厚さに少し怯んだがそれを一気に読ませる内容が嬉しい。

多2週目も楽しめるんだろうなーと思える。全体の趣向と、その騙しのトリックが満腹過ぎた一冊

 

こんな衝撃の体験が出来るならずっとミステリ小説にわかで良いや~と気持ち良く思える内容が嬉しかった

 

 

 

ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 
ハサミ男 (講談社文庫)

ハサミ男 (講談社文庫)

 

 

 

『密室殺人ゲーム 大手飛車取り』 倫理感?なにそれうまいの?-読書感想

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ジャンル:ミステリー

 

~してみた。という最近ではネットに溢れ過ぎているジャンル(?)

個人的に笑えるのもあるし、悪ノリし過ぎで普通に迷惑じゃないのと思うものまで玉石混交

 

そんな今の世の中でも出会えない

ぼくのかんがえたさいきょうトリックで人を殺してみた←頑張って推理してね系ミステリ小説

 

感想

ネットの仲間内で、1人が殺人事件を起こし、そのトリックを出題、他のメンバーが推理をするゲームが行われている。

他の推理ゲームと違うのは、その殺人は実際に行われている

 

人の命がちょー軽い

ネットで推理ゲームとか、現代ではよくありそうな題材かと思いきや

本作は出題者が実際に人を殺し、そのトリックを出題するという実地的なクールさに溢れている

 

そして、これが本作の多分一番の※注意点※

 

本作で登場する殺人事件は、ゲームであり、それ以上でもそれ以下でもない

よって、被害者の命の扱いとか選定理由とか物凄く軽い。本当に軽い

 

トリックを試したかったから、ちょうど良かったから...そんな感じ

この点が問題なければ、ちょっと現代風の新鮮なミステリ小説だけど

そもそもの殺人に理由とか求める分には、相性が悪い。だって、ただのゲームだから

 

遊びだから本気で殺る

しかし、だからと言って事件がおふざけかと言えば、決してそうではない

  • 法則と、見立て殺人
  • バラバラ殺人
  • 時刻表トリック
  • 密室殺人
  • ちょっと科学知識が必要な遊び

と列挙するだけでも見どころはあり、一つ一つの事件はきちんと面白いのがスゴい

 

遊びだからこその本気になれって言葉が体現されている。

まぁ実際に人が死んでるんだけど

 

最初は完全にゲームノリの登場人物達に「ちょっと、こいつらどうなん?」みたいな気持ちになったが

慣れると、そのネット特有の軽快なやりとりと楽しくなってくる

(僕もネットやりとりするオタクだし…)

 

まぁ実際人が死んでいるんだけどねwwww

↑こんなノリ

 

おわりに

本作は続刊も発売されており、それを承知で購入したのだが

「えっ、こっからどう次に繋がんの?」と素で思ってしまった終盤の展開も見所か

 

あくまで個人的な印象だけれど、頭狂人(本作の主役的なキャラ。勿論HN)はアスペルガーじゃないかと思った。

 

 

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

 

 

 

『愚行録』証言のみで描く事件と無情感 -読書感想

 

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ジャンル:ミステリー

 

普段ミステリ小説を読んでいると、だいたい殺人事件が発生すると読者は当事者側

その現場にいた人物目線でいる事が多い。被害者の人となりもそれなりに知っているし、もしかしたら犯人の動機も

 

そんな経験の中で、本作が行なう事件の描き方は新鮮と新発見

被害者の関係者による証言だけで描かれる事件とその人物像が面白い

 

 

感想

都内で発生した一家殺人事件

夫は早稲田出身、不動産会社勤務のエリートサラリーマン

妻は慶應出身のお嬢様で、子供が2人

 

あるルポライターが行った、被害者夫婦の関係者へのインタビューを中心に、そんな完璧な家族の真の姿に迫る

 

構成

全編、インタビュイー(インタビューを受ける人)の話をそのまま文章に起こした形式

最初はちょっと面食らうけど、結構すぐ慣れます。

 

 

事件ではなく人物を掘り下げる

本作ならではの要素

ママ友、職場の同僚、同級生、元恋人といった、被害者の知人をインタビューするという形式

 

本作に登場する人物は精神異常者でも犯罪者でもない、みんな普通の人

はたして、そんな普通の人々が語るエピソード集が面白いのか?

と疑問に思うかもしれないが、これが中々に面白い。

 

基本的に仕事や人間関係、被害者の学生時代、男女問題に関するエピソードが中心

それを本人から直接聞くのではなく、間に他人(とその主観)が入る事で

被害者夫妻の良く言えば人間らしい、悪く言えばエグい姿が垣間見え、その印象が2転3転していく

 それと同時にインタビュイーの内面も徐々に滲み出る。それらが変に生々しく引き込まれる

 

次第に薄れていく事件

一家殺人事件というショッキングな事件で幕を開ける本書。

実際、僕もその設定に惹かれて本書を購入したクチ

 

しかし、作中でその扱いは驚く程に小さい。捜査の進展具合の描写も少ない。

せいぜい、たまにインタビュイーが「そういえば~」と口にする程度でしかない

 

僕自身もこの事件は、読み進めていくうちにいつしかギラギラした感じを失い

本作中で語られている様々なエピソードの一つに収まっていた。そんな感覚になる。

 

一つのメインに据えて書けそうな事件なのに、役割的には導入装置のよう

しかし、本作はあくまで事件が起こった事が前提で進むので

常に気持ちの底に張りついているような、嫌な雰囲気があった。

 

気になった点
  • 一家殺人事件が直接のメインではない
  • 犯人とその動機は評価が割れそう
  • インタビューの妙に生々しい内容が時々しんどい

 

おわりに

最後に犯人が明らかになるも、読み終えた直後は無常感というか、灰色のような気分を味わった。

本書タイトルの「愚行録」。それがそのまま感想になってしまう。そんな印象を受ける

 

インタビュイーの書き分けは見事で

性別・年齢・職業の異なる複数の人間が

そこにいたし、それぞれの本心や性格が

徐々に透けて見えてくる感じはリアルだ

(こいつ嫌な奴だな~と思う人もいた)

 

事件の真相を知ったところで

カタルシスがある訳でもない

ただただ、被害者夫婦を中心とした

過去から現在までの出来事が並んでいる

しかし、何か不透明なものが胸に残る

そんな嫌な重みがある記録の一冊

 

その他
  • 帯に載っていた映画版のキャスト、夫役が妻夫木聡でイメージが適役過ぎて笑った
  • 本書の一家殺人事件のモデルは、やはり世田谷一家殺人事件か?

 

下の下に少しネタバレあります。

 

 

愚行録 (創元推理文庫)

愚行録 (創元推理文庫)

 
愚行録 (創元推理文庫)

愚行録 (創元推理文庫)

 

 

 

 

若干のネタバレ

本書の開いてすぐ、一つの新聞記事が載っている

 

本書を一気に読み終えた人は、どうか分からないが

 僕は、読み終わるまで1週間程掛かった中で、本編・解説を読み終え

何となく最初に戻り、その新聞記事を見た時の衝撃は、最近読んだ本でも一番だった。

 

『プリズム』推理を読む、面白さが突き刺さる -読書感想

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 ジャンル:ミステリー

ミステリ小説の楽しみ方として何を重要視するのか。

それは勿論人それぞれであるけど、やはり犯人とそのトリックが明かされる瞬間は、少し変え難いものがある。

 

そんな考えを良い意味で改めてさせてくれたのが本作。

ミステリ小説の新しい楽しみ方、新しい一面をというものを教わる

 
感想

小学校女教師が自宅で殺害される。窓には外部から侵入形跡があり、室内には催眠薬入のチョコレート

彼女を殺したのは誰なのか?

 

というシンプルなシチュエーションが用意されるところから、始まる

 
推理を読む面白さ

本作は全4章で構成される。

各章毎に主人公が異なり、それぞれが事件についての推理を試みる。

 

各主人公で、被害者へ抱く感情や、立場・関係が様々で推理にもそれが反映される。

その結果、同じ事件に触れているのに、人によって見える真相、推理のが違う等々、本作の面白さが存分に発揮されて

これがとても面白い!

 

人物の見え方が変わる面白さ

各章は少しずつリンクしており、同じ人物が章を跨いで登場したりする、

事件と同様に、主人公が誰であるかによってその振る舞いや、与える印象は異なるのがポイント

前の章ではちょい役だった人物が、次の章ではキーパーソンになっていたりする感覚が楽しい

 

個人的には、1章と4章のそれが印象的で、主人公同士のニアミス具合が何とも言えない(笑)

 

真実とは何か

自分達の辿り着いた推理を真実であると確信する者、生じた猜疑心に悩まされる者など様々

そんな主人公達の姿は正に人間模様。それを見比べるのも一つの楽しみになってしまう

 

結局、否定出来ないような客観的な事実をこれでもかと提示されるまで

真実など人の数だけ、主観の数だけ存在するのでは?などと斜め向きに構えてしまう

 

気になった点
  • 本作の特性上、派手な展開やハードな展開といった要素とは無縁
  • 警察等の捜査過程などは殆ど登場しない
  • スッキリとした結末は得られない

 

まとめ

本作で用意される事件は仕掛けが幾つかあるものの、いたってシンプル。

 

そんな事件が主人公達の推理を受け掘り下げられ、違う面を見せてくるし

それに併せるように人物、背景、トリックも

読む度にどんどん変化していく

おまけに、読者もこの推理合戦に参加する余地まで多分に用意されている。

 

その様子を見るにつけ『プリズム』というタイトルは的確過ぎて、もはやネタバレの域。

 

1人の、絶対的な人物の提示する推理を追うだけでない、複数の推理を読み比べ違いを楽しむ

ミステリ小説にわかの僕に、「こういう楽しみもある」と、新しいものを教えて貰った気分だ。

 

 

 

プリズム (創元推理文庫)

プリズム (創元推理文庫)

 
プリズム (創元推理文庫)

プリズム (創元推理文庫)